話題スイープの『ウマ娘』、名馬の擬人化は大丈夫? 過去には「ダビスタ裁判」も

弁護士ドットコムニュース / 2021年3月6日 10時1分

写真

関連画像

2月24日に配信スタートしたゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』が話題です。実在の名馬の魂を受け継いだ「ウマ娘」を育成するというもので、牡馬もいわゆる“美少女”になっています。

すでにアニメ化もされており、各馬の個性を生かしたキャラクター設定もウケているようです。

たとえば、現役時代は気性難で知られていたG1・6勝馬のゴールドシップは、自由奔放でマイペースなキャラに。担当していた厩務員の今浪隆利さんも 「本物のゴルシよりむずかしい」など、楽しそうに感想をツイートして、競馬ファンをわかせています。

ところで、実際の競走馬の名前をゲームで使って良いかについては、過去に裁判で争われたこともあります。ここで競馬ゲームの歴史を振り返ってみましょう。

●馬主がダビスタなどを訴えた

裁判になったのは、「ギャロップレーサー(GR)」と「ダービースタリオン(ダビスタ)」という2つの有名タイトル。いずれも馬主らが訴え、パブリシティ権が争点になりました。

たとえば、野球やサッカーゲームなどで選手を実名で登場させるのであれば、契約してライセンス料を払う必要が出てきます。これが「人」ではなく、競走馬という法的には「モノ」にも生じるかという問題です。

下級審では、判断が分かれました。ダビスタ事件について、東京高裁は競走馬にパブリシティ権は生じないと判断。いっぽうGR事件について、名古屋高裁はパブリシティ権が発生するとしました。

いずれも上告され、最高裁は競走馬にパブリシティ権は生じないとする結論を出しています。

以下はGR事件についての上告審判決の一部です。ダビスタ事件については馬主側の上告が退けられ(不受理決定)、権利侵害を認めなかった東京高裁判決が確定しました。

「競走馬の名称等が顧客吸引力を有するとしても、物の無体物としての面の利用の一態様である競走馬の名称等の使用につき、法令等の根拠もなく競走馬の所有者に対し排他的な使用権等を認めることは相当ではなく、また、競走馬の名称等の無断利用行為に関する不法行為の成否については、違法とされる行為の範囲、態様等が法令等により明確になっているとはいえない現時点において、これを肯定することはできない」

●パブリシティ権以外の問題は?

ただ、『ウマ娘』については、単に名前を使うだけでなく、擬人化しています。この点は影響しないのでしょうか。

滋賀県にある栗東トレーニングセンターにほど近いところに事務所を構える齋藤真宏弁護士は次のように話します。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング