地方の「渉外弁護士」の仕事が減る? 「外国法弁護士」に関する新制度導入へ

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月9日 14時55分

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外国の弁護士資格を持ち、その外国の法律に関わる業務を日本で行う「外国法事務弁護士」(外弁)。彼らに法人格の取得を認め、複数の事務所展開を可能にする「外国弁護士特別措置法改正案」がこのほど国会へ提出された。今国会での成立が見込まれている。

改正の背景には、法律事務の国際化や多様化があるようだが、この制度改正は具体的にはどんな内容で、弁護士業界にはどのような影響があるのだろうか。渉外法務を専門とする藤本一郎弁護士に聞いた。

●「外弁」だけの法人にどれだけ需要があるのか?

「結論として、弁護士業界に大きな影響はないと考えていますが、危機感は持ちたいものです」

藤本弁護士は、このように述べる。そもそも、今回の法改正では、何ができるようになるのだろうか?

「今回の外弁法改正案では、外国法事務弁護士(外弁)のみが社員(出資者兼経営者)となる法人(以下、外弁法人)が設立できるようになりました。

一方で、外弁と日本弁護士とが共同事業として1つの法人を設立する『混合法人』については、議論には上りましたが、法案には盛り込まれませんでした。

わが国において、外資系法律事務所は、外弁と日本弁護士が共同出資する『外国法共同事業』として、組合形式で形成されることが多いのが現状です。日本弁護士が社員になれない外弁法人に、日本国内でどれだけ需要があるかは疑問です」

なお、藤本弁護士によれば、「外弁法人と日本弁護士とが、別々の組織を維持しながら『外国法共同事業』を行うことは可能です」ということだ。

たしかに、日本法の法律事務が行えない外弁のみの法人では、利用者側の使い勝手は、そこまでよくなさそうだ。そうなると、今回、外弁法人を認めることの意義はどこにあるのだろうか?

●渉外法務を担う日本弁護士の育成は十分ではない

「株式会社などの場合は『法人』になることによって、有限責任になるというメリットがあります。しかし、わが国の弁護士法人や外弁法人は、たとえ法人になっても、有限責任は認められていません。

そこで、積極的に外弁法人設立の意義を見い出すとすれば、わが国の組合形式の法律事務所では認められていない『支店を設けること』くらいではないかと思います」

その「支店」は、業界にどれぐらいのインパクトを与える内容なのだろうか?

「従来であれば進出が難しかった大阪や名古屋といった地方主要都市に、外弁法人の支店ができる可能性があります。それにより、地方の渉外業務を扱う弁護士は、一定の影響を受ける可能性があります。

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