佐村河内さんが「新垣さんを名誉毀損で訴える」 裁判になったときのポイントは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月8日 15時15分

写真

関連画像

「現代のベートーベン」と呼ばれながら、実は自分で作曲をしていなかったことが判明した佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんが3月7日、東京都内のホテルで記者会見を開いた。トレードマークの長髪をバッサリ切って登場した佐村河内さんは「本当に申し訳ございませんでした」と述べ、これまで世間をあざむいていたことを謝罪した。

しかし、ゴーストライターだった音楽家・新垣隆さんの発言について「ウソを言っている」と反論し、「新垣さんらを名誉毀損で訴えます」と語った。佐村河内さんは、「耳に関することで、新垣さんはすべてウソを言っている。科学的にありえない」などと主張。新垣さんに名誉を毀損されたとして、裁判を起こす意向であることを明らかにした。

ただ、佐村河内さんは、新垣さんがゴーストライターを務めていたこと自体は認めている。つまり、新垣さんの発言のすべてが間違っているというわけでなく、部分的に誤りがあるという主張のようだ。そのように発言の一部が事実と異なるという場合でも、名誉毀損は成立するのだろうか。裁判になったときのポイントについて、秋山直人弁護士に聞いた。

●佐村河内さんの「社会的評価」はさらに低下したか?

「今回、佐村河内さんは、ゴーストライターの存在自体は認めています。しかし、新垣さんの発言のうち、『初めて彼と会ったときから今まで、耳が聞こえないと感じたことは一度もない』『私が録音したものを彼が聞き、コメントすることが何度もあった』といった部分は事実でなく、名誉毀損だと主張しているようです」

このように秋山弁護士は切り出した。はたして新垣さんの発言は、名誉毀損にあたるのだろうか。

「この新垣さんの発言は、『佐村河内さんが、実際には普通に耳が聞こえるのに、聞こえないふりをしていた』という印象を聞いた人に与えるもので、佐村河内さんの社会的評価を低下させるものといえます。

この点、ゴーストライターが作曲していたことが公表されたことで、佐村河内さんの社会的評価はすでに低下しています。しかし、そのことを踏まえたとしても、さらに社会的評価を低下させるものといえるでしょう」

●社会的評価を低下させても「名誉毀損」が成立しない場合

ただ、聴力に関して、佐村河内さん自身も、全聾(ぜんろう)でなかったことを認めている。現在も難聴であるとしながら、障害者手帳を返納したことを明らかにした。その点は、どう考えればいいのか。

「実際には全聾ではないのに全聾のふりをしていたという点は、佐村河内さんも認めているといえます。それに加えて、さきほどの新垣さんの発言によって、佐村河内さんの社会的評価がどれほど低下したといえるのかが、問題となります。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング