大阪駅の「顔認証追跡実験」が延期へ 「個人情報保護」の視点からみた問題とは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月11日 13時47分

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JR大阪駅の駅ビル内に多数のカメラを設置し、通行人の「顔」を撮影して人の流れを調べる実証実験が予定されていたが、市民団体などの反発によって、延期される見通しとなっている。本来ならば4月から、顔認証技術などを使った実験を開始する計画だったが、抗議を受けて、第三者委員会で実験手法などについて議論することになった。

実施主体である総務省の外郭団体「情報通信研究機構」が昨年発表した資料などによると、実験は人の流れを正確に把握し、災害発生時の安全対策などに利用するのが狙い。駅ビル内に設置された約90台のカメラで、通行人の顔を撮影し、その特徴をデータ化。別のカメラが同じ特徴を持った人物をとらえると、同一人物だと識別して、その動きを追跡していく仕組みだとされていた。

一方で、取得した通行人の映像は、その特徴をデータ化したあとですぐに消去するとしていた。また、その特徴データから元の映像が復元できないようにするなど、個人の特定につながらない処理を行うとしていた。しかし、大学教授などでつくる市民団体「監視社会を拒否する会」が実証実験の中止を要請するなど、反発する声があいついでいた。

このJR大阪駅での「顔認証追跡実験」については、第三者委員会でさまざまな角度から議論が行われることになりそうだが、個人情報保護の観点からはどんな論点があるのだろうか。小林正啓弁護士に聞いた。

●駅で撮影された「顔の映像」は「個人情報」か?

「JR大阪駅での実証実験は、顔認証技術を使う計画だと報道されています。

顔認証技術とは、人間の顔をカメラで撮影し、人相を分析して数値化することによって、コンピューターによる解析や、他の画像との照合を行うものです。

現在の顔認証技術は、運転免許証の写真のような画像であれば、9割以上の確率で本人特定ができると言われています。近い将来には、防犯カメラ画像を解析して犯人の逃走経路を特定したり、購買行動を分析してマーケティングに用いたりすることが期待されています」

このように小林弁護士は説明する。大阪駅での実験については今後、第三者委員会で議論するということだが、集めたデータは、法律上の「個人情報」にあたるものなのだろうか?

「個人情報保護法上の『個人情報』とは、『生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう』と、定義されています」

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