動物園で健康な「キリン」を殺して「解体ショー」 日本でやったら法律違反になる?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月11日 16時40分

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動物園でキリンを殺して解体するショーがあったら、あなたは見たいだろうか?デンマークの首都コペンハーゲンにある動物園が、飼育していた健康なキリンを殺処分したうえ、解体する様子を公開した。さらに園内のライオンの餌にしたことで、動物愛護団体などから激しい反発を受けている。

報道によると、この動物園ではキリンの頭数が増加。近親交配を避けるため、1頭を殺処分した。空気銃で殺したあとは、子どもを含む来園者の前で解体したという。インターネットで2万人以上が、キリンの助命嘆願に署名する中での出来事だったそうだ。

病気やケガの動物を殺処分した、というニュースは日本でもたまに取り上げられている。しかし、今回のように近親交配のリスクを避ける目的などで、健康なキリンを殺処分することは認められるのだろうか。渋谷寛弁護士に話を聞いた。

●他人が飼育する動物を殺せば「器物損壊罪」

「動物を殺した場合には、刑法上の器物損害罪が成立する可能性があります。ところが、この罪は他人が飼育している動物に限られます。

動物園関係者以外の人が殺した場合には、この罪に問えます。しかし本件では、動物園の職員が動物園の方針として殺していますから、器物損壊罪は成立しません」

このように渋谷弁護士は説明する。とすると、動物愛護法ではどうだろうか。

「動物愛護法の44条1項では、『愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する』と定めています」

そして、44条4項には「愛護動物」のリストが列挙されている。それは、「牛、馬、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」というものだ。さらに、「人が占有している動物で哺乳類、鳥類、は虫類に属するもの」も、愛護動物に含まれる。

●動物愛護法に違反する可能性

「このなかの『哺乳類』に、キリンも含まれます。また、『人が占有している』という点については、自ら動物園で飼育している場合を含むと解釈できます。ですから、動物でキリンを飼育している所有者も、動物愛護法44条1項に該当して、犯罪の加害者になる可能性があるといえるのです」

つまり、今回のようなキリンは、日本の動物愛護法の対象となるというわけだ。もっとも、だからだといって、キリンを殺処分したら、すぐに犯罪になってしまうわけではない。動物愛護法44条1項違反となるためには、「みだりに殺し」たといえる必要があるからだ。

その点について、渋谷弁護士は次のように答えていた。

「近親交配を避けるために殺処分したことが、『みだりに殺し』たといえるかどうかは、微妙な問題でしょう。日本の場合は、他の動物園に移動させるという選択肢もあるでしょうから、『殺す必要はない』という意見が強くなるかもしれません。そうだとすれば、『みだりに殺し』たということで、犯罪が成立する可能性もあるのではないでしょうか」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
渋谷 寛(しぶや・ひろし)弁護士
1997年に渋谷総合法律事務所開設。ペットに関する訴訟事件について多く取り扱う。ペット法学会事務局次長も務める。
事務所名:渋谷総合法律事務所
事務所URL:http://www.s-lawoffice.jp/contents_01.html

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