1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

同意なき性行為、高裁が「880万円」の賠償を命じるまで 自衛隊セクハラ事件、弁護士の闘い

弁護士ドットコムニュース / 2021年4月13日 10時3分

写真

関連画像

セクハラの賠償金の額が低いと言われる日本で、880万円の賠償を命じた事件がある。2017年4月12日に東京高裁で判決が言い渡された「航空自衛隊自衛官セクハラ事件」だ。

これは航空自衛隊浜松基地の元隊員の女性が、上官の男性から継続的な性被害を受けたとして、男性に1100万円の損害賠償を求めた訴訟だった。ただ、1審の静岡地裁浜松支部では、たった30万円の慰謝料しか認められなかった。

代理人を務めたのは、弁護士歴40年以上を有するベテランの塩沢忠和弁護士(74)と当時新人だった栗田芙友香弁護士(33)のコンビだ。

地裁判決を受け「怒りと驚きで死に物狂い」で控訴審に挑んだ2人。最高裁が2018年2月に被告側の上告を棄却し、提訴から3年5カ月で終結した。

果たして、地裁と高裁の判断を分けたものは、一体何だったのか。話を聞いた。

●同意なき性行為をどうやって立証するか

女性(当時30代)は2010年4月、航空自衛隊浜松基地の隊員として採用され、文書管理などの仕事を担当した。8月ごろ、同期から同じ課の男性上官(当時40代)を「偉い人だ」と紹介され、男性から連絡先を聞かれた。

その頃からセクハラが始まり、上官は「人事上のことを聞きたい」と言って女性を呼び出し一方的に抱きしめたり、無人島に連れて行き数回キスをしたりした。10月にはラブホテルに連れて行き、無理やり性交した。 女性は男性からの性的強要が嫌になり、2011年3月に自衛隊を退職した。しかし、その後も2012年前半までの間、上官は複数回にわたって女性の自宅に上がり込んだり、ラブホテルに連れ込んだりして、無理やり性交した。

2013年6月、女性の相談を受けたのは塩沢弁護士だった。こうした事件では相手は「同意の上でおこなった」「本人も自主的な意思で受け入れてくれた」と反論してくるのが常だ。

「同意なき性行為をどうやって立証していくか。そこに尽きる」。相手の反論をどう打ち破るかが鍵だった。

同じころ、女性は自衛隊内の「セクハラホットライン」に被害を申告し、浜松基地内で調査が始まっていた。

塩沢弁護士には、パワハラによって自殺した浜松基地の自衛官をめぐる国家賠償請求事件の原告代理人の経験があった。その際、基地内の調査結果が提出されたことで、事実経過がクリアになった。

「とにかくこれから始まる調査がポイントになるから、きっちり被害を訴えること。しんどいし辛いだろうけど、妥協せずに頑張っていきなさい」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング