「特定秘密保護法は違憲だ」 施行差止訴訟を起こした藤森克美弁護士に「理由」を聞く

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月14日 13時17分

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昨年12月に成立した特定秘密保護法は憲法に違反して無効だ――静岡県弁護士会に所属する弁護士が2月中旬、同法の無効確認と施行の差し止めを求める訴訟を静岡地裁におこした。

特定秘密保護法では、防衛や外交など、国の安全保障に関する情報について、「特定秘密」が指定され、それを漏らしたり不正取得した公務員・民間人は、最長で懲役10年という罰則を受ける。昨年12月13日に公布されて、1年以内に施行されることになっている。

今回、特定秘密保護法の違憲無効を求めた訴訟は全国で初めてだということだが、その狙いはどこにあるのだろうか。訴えを起こした藤森克美弁護士に聞いた。

●「権力のウソ」を暴いて処罰されるなんて、とんでもない

「秘密保護法は、監視社会を招き、国民主権を否定する内容です。さらに、軍事立法の性格を有しているため、平和主義をも侵すという、とんでもない悪法です。私はこの秘密保護法は、絶対施行させるわけにいかないと思います」

藤森弁護士は、このように危機感を表明する。具体的には、どんな問題が起きると考えているのだろうか。

「一番心配なのは、国民に必要な情報が伝わらなくなるという危険性です。参考になる過去の事件として、沖縄密約文書漏えい事件があげられます。それは次のような事件です。

1972年の沖縄返還に伴って、日米政府の間で『密約』が交わされました。この沖縄密約に関する文書を、毎日新聞記者の西山太吉さんが外務省職員から手に入れて、野党の国会議員に渡しました。その後、この密約が国会で追及されることになりました。ところが、西山さんと外務省職員が国家公務員法違反で起訴され、2審と3審で有罪判決を受けたのです。

しかし、2000年と2002年に米国立公文書館で発掘された文書によって、西山さんが暴いたものが『権力のウソ』だったことが客観的にも明確になりました。権力が国民に対してついたウソは国家機密とは言えず、むしろ憲法の理念に則れば、公開されてしかるべきものです。権力のウソを暴くことで処罰されるなんて、とんでもありません」

●国家に都合の悪い情報が「秘密」にされる恐れ

この「密約文書」とは、沖縄返還協定上、本来なら米国が負担すべき返還軍用地の原状回復費用400万ドルについて、秘密裏に日本側が肩代わりすると決めた事実を示す文書のことで、米国では1994年の大統領令で秘密解除されたという。

藤森弁護士が危ぐしているのは、このように、たとえ国民に知らされるべき内容であっても、国家に都合が悪ければ「秘密指定」されるという可能性だ。さらに、もしそれを明らかにしようとした場合に、西山さんらのように処罰される恐れがあるわけだ。

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