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ドン・ファン元妻逮捕で「遺産13億円」めぐる争いはさらに混乱 手続きは「事実上ストップ」することに

弁護士ドットコムニュース / 2021年4月30日 14時41分

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「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(当時77)が急性覚醒剤中毒で急死したのは、2018年5月24日のこと。それから2年11カ月後となる4月28日、野崎さんの妻だった女性が殺人と覚せい剤取締法違反の疑いで和歌山県警に逮捕された。

報道によると、県警は、野崎さんに自殺をうかがわせる事情がないことから、何者かが覚せい剤を摂取させた可能性があるとみて捜査していたようだが、妻が関与した疑いが強いと判断したようだ。妻の認否は明らかにされていない。

気になるのは、遺産の行方だ。野崎さんは生前、市に全財産を寄付するとした「遺言書」を残していたとされる。朝日新聞などの報道によれば、遺産は預貯金、有価証券などで約13億円だという。

民法では、遺言が有効であっても、妻は一定の割合の遺産(遺留分)を相続できる。そのため市は、額が確定後、法律で遺産の一部の受け取りが認められている野崎さんの妻と財産分割の協議に入るとみられていたが、19年8月に、野崎さんの兄弟姉妹らが、遺言書の無効を求めて家裁に申し立てていた。

妻が仮に殺人で有罪とされた場合、妻の取り分はどのように扱われるのか。遺産の行方について、高橋麻理弁護士に聞いた。

●殺人で有罪となった場合は相続人になれない

——仮に殺人で有罪とされた場合、相続権はどうなるのでしょうか。

まず、前提として、現時点では、妻だった女性が男性を殺害したとの疑いで逮捕されたと報じられているに過ぎず、今のところ、女性の認否も不明ですので、事実関係は明らかになっていません。

その前提で、仮に、女性が、男性に対する殺人罪で起訴され、有罪判決が確定した場合、女性は男性の遺産を相続できるのかどうかについてお答えします。

結論として、このような場合、女性は、相続人の資格をはく奪され、男性の遺産を相続することはできなくなります。

ちょっと物騒な話にはなりますが、考えてみてください。

相続人の立場にある人が、たとえば遺産を獲得しようと企てて、相続される立場の人(被相続人といいます)を殺し、計画どおりに、その人の遺産を獲得できるなんて、そんなのまかり通らないだろうというのは、感覚としても「そりゃそうだろう」と思いますよね。

この点、民法には「相続欠格」という制度があり、故意に、被相続人を死亡するに至らせて刑に処せられた者は相続人となることができないと定めています。

ここでいう「故意に」というのは、「わざと」ということです。また、「刑に処せられた」というのは、簡単に言えば、実刑判決が確定した場合を指します。

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