リサイクル店の「仮面ライダー」フィギュアに「安い値札」を貼ったら詐欺未遂罪?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月25日 18時22分

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本当の売値は1980円の「仮面ライダー」のフィギュアに、400円の値札を貼って、実際よりも安く購入しようとした――そんなことを試みた三重県警の男性巡査部長が書類送検されていたことがわかった。

報道によると、この巡査部長は昨年11月、リサイクルショップで、値札を貼り替えたところを店員にみつかった。容疑を認めた巡査部長は今年1月、県警から懲戒処分を受けて、依願退職。結局、起訴猶予となったという。

今回、書類送検された際の容疑は「詐欺未遂」ということのようだ。商品の値札を貼り替える行為は詐欺になるのだろうか。元検事で刑事事件にくわしい岡田功弁護士に聞いた。

●安い値札を貼っただけでは「詐欺」にならない?

「結論から言えば、商品に安い値札を貼っただけでは詐欺未遂にはなりません。しかし、その値札が貼られた商品をレジに持ち込めば、たとえ店員がだまされなかったとしても、詐欺未遂罪が成立します」

このように岡田弁護士は説明する。ここで問題となっている「詐欺罪」とは、そもそもどんな犯罪なのだろう。

「詐欺罪は、『人を欺いて財物を交付させること』により成立する犯罪です。ここでいう『人』とは、財産の処分行為をする権限を有する者。今回のケースでは、ショップでレジを担当する店員が当たります。

このレジ店員は、一般的に言って、店内に置かれている全ての商品の売値を正確に記憶しているとは限りませんし、値札の金額を機械的にレジ打ちしているだけの店員も普通にいるだろうと思われます」

●店員がだまされて商品を売れば「詐欺罪」が成立

たしかに、本当は1980円のフィギュアに400円の値札を貼り付けて、誰かがその商品をレジに持ち込んできても、本当の値段に気付ける店員は少ないかもしれない。

「そのような場合、誤って400円の商品として売ってしまうことも、十分にありうることです。だからこそ、今回は400円の値札を貼り付けた商品をレジに持ち込む行為自体が、積極的に人をだますための行為と評価されます。つまり、詐欺罪の実行行為になります。

その結果として、店員がだまされて400円で商品を売れば、詐欺罪(既遂)となります。他方、店員が嘘の値札に気付いてだまされなかった場合は、詐欺未遂罪となります」

もし、いたずらで店の商品に勝手に安い値札を付けただけだった場合は、どうなるのだろう。

「勝手に安い値札を貼り付ける行為自体は、詐欺の準備行為とみることもできます。しかし、詐欺罪には準備行為を処罰する予備罪の規定がありません。

ただ、商品に安い値札を貼り付けてそのまま放置しておくと、他のお客さんがその商品を購入するためにレジに持ち込み、レジの店員が誤って値札どおりの安い金額で販売してしまう可能性があります。よって、詐欺罪は成立しなくとも、偽計業務妨害罪に該当する余地はあります」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
岡田 功(おかだ・いさお)弁護士
東京弁護士会・元東京地検特捜部検事
事務所名:小室・岡田法律事務所


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