海外では建物内「全面禁煙」が当たり前? 受動喫煙防止法案を弁護士が批判する理由

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月26日 15時43分

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喫煙しない人が、タバコの煙を吸わずに暮らせる社会は、いつ実現するのだろうか。

禁煙・分煙が進んできたとはいえ、職場のビルでも飲食店でも、タバコの煙はどこからともなく漂ってくる。煙が苦手なのに、紫煙の中で生活しなければならない、となれば、さながら生き地獄のように感じている人もいるだろう。

そんな状況を改善するため、厚生労働省は3月13日、事業者が職場での受動喫煙を防止するよう努める、とした労働安全衛生法改正案を国会に提出した。

一歩前進にみえるこの法案だが、受動喫煙問題に取り組む岡本光樹弁護士は落胆を隠さない。なぜなのだろうか?

●受動喫煙防止の「義務規定」が後退した

実は、今回提出された改正案は、かつて2011年12月に国会提出され、ねじれ国会で審議されずに廃案となった改正案と比べると、「受動喫煙防止の義務規定が後退している」というのだ。

後退したというのは、どういうことか? 岡本弁護士によると、前回の法案では、事業者が受動喫煙防止のための措置を「講じなければならない」とされていた。ところが、今回の法案では、「措置を講ずるよう努める」(努力義務)と変わったという。

つまり、前回案では事業者に受動喫煙防止措置を講じる「義務」を課していたのに、今回はそこまでは踏み込まず、「努力」すればいいとなってしまったのだ。岡本弁護士はこの点を「残念」と言っているわけだ。

●受動喫煙をめぐる対策の動き

では、受動喫煙をめぐる日本の法律は、いま、どんな流れの中にあるのだろうか。

「日本の受動喫煙防止対策は、2003年『健康増進法』施行、2005年『たばこ規制枠組条約』発効と進んできました。さらに、受動喫煙の有害性に関する知識の普及等を踏まえて、従来の『職場を快適に』というレベルから、労働者の『健康障害防止』のために必要だというレベルへ引き上げられてきました。

たとえば、我が国も批准した『たばこ規制枠組条約』のガイドライン(2007年7月採択)では、次のような基準が示されています。

・100%禁煙以外の措置(換気、喫煙区域の使用)は、不完全である。

・立法措置は、責任および罰則を盛り込むべきである。

・条約発効後5年以内(2010年2月27日まで)に実現すべき」

●条約のガイドラインに比べて「大幅後退」

「日本も本来、このような勧告に沿った法律改正をすべきなのです。

しかし、厚労省は喫煙擁護側の反対意見を踏まえて、2011年12月に相当弱めた法案を作ってしまいました。罰則は当面付けず、指導中心とするという内容で、飲食店については当分の間、換気措置も認める、といった妥協法案でした。

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