1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

マスク未着用者を退去させられる? 札幌市職員3人のコロナ感染が波紋

弁護士ドットコムニュース / 2021年7月17日 9時27分

写真

関連画像

札幌市は7月7日、マスク未着用の来庁者に対応した市職員3人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。

報道によると、市側はこの来庁者にマスク着用やパーテーションを置いて話したい旨をお願いしたものの理解が得られず、危機管理対策室の3人が約1時間、その後さらに教育委員会2人が約30分対応した。

後日、危機管理対策室の2人と教育委員会の1人が相次いで新型コロナを発症。他の2人についてはPCR検査で陰性だったという。

市側は、因果関係がわからず感染経路が不明なケースだとする一方、感染した職員については発症の2日前までの感染可能期間に市民との接触はないとも説明。今後、庁舎管理規則に基づき来庁者にマスク着用を求めたうえで、特段の事情がなく応じない場合はマスク着用に応じない来庁者に退去命令を出すことも検討するという。

目に見えないウイルスによる感染経路の特定は容易ではなく、マスクをしていても感染リスクがなくなるわけではないが、マスク着用に応じないだけで退去命令を出すことは可能なのだろうか。

平裕介弁護士は「退去命令を出すことは法的に可能」だという。また、退去命令に相手が従わない場合には、最終的な対応として「3つの法的手段が考えられる」とも指摘する。

以下、平弁護士に詳しく聞いた。

●「退去命令を出すことは法的に可能」

——庁舎管理規則に基づき来庁者にマスク着用を求めたうえで、正当な理由なく応じない場合はマスク着用に応じない来庁者に退去命令を出すことは、法的に可能なのでしょうか。

札幌市庁舎管理規則(以下「規則」)9条は、庁舎内の禁止事項について規定しており、「座り込み、その他の方法により職員等の通行を妨害すること」(同条(1)号)などのほか、「庁舎の保全を害し、又は秩序を乱し、公務の円滑な遂行を妨げること」(同条(7)号)を「してはならない」とし、何人に対してもこれらの行為を禁止しています(同条柱書)。

また、規則12条は、違反行為に対する措置について規定し、庁舎管理者は、規則9条各号に掲げる行為を「行う者又は行う恐れのある者」に対し、その行為を「禁止し……なければならない」とし(規則12条1項(1)号)、この禁止命令に従わない者に対しては、庁舎から「退去」することを命じることが「できる」と規定しています(同条2項)。

以上の各規定を今回のケースについてみると、まず、特に正当な理由(たとえば、健康上の理由からマスクを着用することが著しく困難である場合であるなど)なく、マスクを着用せずに来庁する行為については、当該来庁者が無症状者であっても、当該来庁者の飛沫等によって庁舎内の職員や他の来庁者に新型コロナウイルスを感染させることとなる危険性が一定程度認められる行為といえることに加え、一定数の職員がマスクの着用を促すなどの対応に追われるほか、他の来庁者が安全に、あるいは安心して来庁することが困難となることから、「庁舎の保全を害し、又は秩序を乱し、公務の円滑な遂行を妨げること」(規則9条(7)号)に該当するだろうと考えます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング