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銭湯でお金を払わず入浴したら、「窃盗罪」に問われるって本当?

弁護士ドットコムニュース / 2021年7月19日 16時17分

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銭湯でお金を払わず入浴したら窃盗罪に問われる可能性がある——。関西テレビが7月10日に配信したこんな記事が話題となりました。

記事は東京にある銭湯で、スタッフが受付で客の対応をしている間に、別の男性が入浴券を買わずに男湯に入ったという内容で、弁護士が「窃盗罪に問われる可能性がある」と解説するものでした。

窃盗というと他人のものを自分のものにすることですが、今回のようなケースでも物を盗んだと考えられるのでしょうか。星野学弁護士に聞きました。

●可能性がないわけではないが…

——銭湯での「無銭入浴」は「窃盗罪」になるのでしょうか。

たしかに、銭湯でお金を払わず入浴した男に窃盗罪が成立する可能性があるかといわれれば、その可能性がないわけではありません。

窃盗罪は「財物」を「窃取」する犯罪です。備え付けの石けんやシャンプーを使えば、少ない量とは言えそれらを盗んだことになり窃盗罪が成立する余地があります。

また、お湯という液体も有形的存在であり、また、タダではないですから「財物」にあたります。

そして、蛇口から出たお湯で身体や頭を洗い、その洗ったお湯や使わなかったお湯が排水溝に流れてしまえば、お湯に対する銭湯の占有を侵害しているので「窃取」にあたる、したがって窃盗罪が成立するという考えもあり得なくはないでしょう。

ただ、これは理論上・教科書的に窃盗罪が成立する可能性があるという意味であり、実際には窃盗罪で処罰されることはないと思われます。

頭や身体を洗わずに浴槽に浸かって温まっただけではお湯を窃取したとは言えず、ただ温まるという「利益」だけを得ているのであるから、いわゆる「使用窃盗」であり不可罰だ、などというマニアックな理由からではありません。

●「住居侵入罪」が成立しうる

——では、どのような罪になるのでしょうか。

刑法は一般の市民に「○○をしてはいけない」ということを定めている規範です。したがって、一般の市民に意味がわからない処罰をしたのでは、いったい何が禁止され何が許されるのかがわからず、「良くわからないけど捕まるときは捕まる」ことになり、これでは自由に生活することができなくなってしまいます。

やはり、法律の世界でも一般市民の感覚が重視されるべきだと思います。

そうすると、いったい、どれだけの人がお金を払わずに銭湯で入浴したことについて、使ったお湯を盗んだのだから窃盗罪が成立するのは当たり前だと感じるでしょうか。私は、あえて男を窃盗罪で処罰する必要はないように思えます。

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