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コロナで「退職勧奨」が増加、自尊心を傷つける巧みな「マニュアル」

弁護士ドットコムニュース / 2021年7月27日 9時51分

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職場でトラブルに遭遇しても、対処法がわからない人も多いでしょう。そこで、いざという時に備えて、ぜひ知って欲しい法律知識を笠置裕亮弁護士がお届けします。

連載の第1回は「つながりの大切さ」についてです。笠置弁護士は労働問題を解決するうえで、「労働者間のつながり」が大切だと話します。一体どういうことなのでしょうか。

●コロナで退職勧奨あいつぐ

私はもっぱら労働者側で労働事件に取り組んでいる労働弁護士です。使用者側の立場からの労働事件のご依頼はお受けしていません。コロナショックによる不景気が始まってから特に、毎日たくさんの労働相談が寄せられるようになりました。多いときには、週に10件近い新規相談をお受けすることもあります。

いくつか法律事務所を回ったものの、セカンド(あるいはサード)オピニオンを求めたいという方も珍しくなく、私の事務所がある神奈川県をはじめとする首都圏だけでなく、遠方からのご相談もあります。

最近、中でも多いのが、ハラスメント・退職勧奨(強要)・解雇の相談です。コロナショックによる業績悪化のため、各企業とも人件費を減らしたいというニーズが高まっている中で、退職勧奨が相次いでいます。

すべての労働問題は、互いに関連しています。ずる賢い会社は、従業員をいじめることで、従業員が自主退職するように誘導していく。それでも人件費が減らせず、ついに我慢できなくなった会社は、解雇に及んでしまう。リストラの過程の中で、従業員は自尊心を奪われ、場合によっては精神疾患にり患してしまう。従業員の数に比例して、仕事量も急に減るわけではないので、残された従業員は長時間残業を強いられることになっていく…。

ひとつの問題が生じている職場には、だいたい他の問題も起きていることが多いというのが、これまで数百件の労働相談を受けてきた中での私の経験則です。

●被害者がたった一人だけということはありえない

また、ハラスメントや退職勧奨が吹き荒れる職場で、被害者がたった一人だけということはありえません。

リストラにおいては、例えば、不採算部門にたまたま在籍していたような従業員複数名が、会社が作成した退職勧奨マニュアルに基づき、組織的にターゲットにされます。そうでないと、まとまった金額の人件費削減を実現できないからです。

私は、大企業の中で活用されているマニュアルをいくつか見たことがありますが、対象者の自尊心を傷つけ、自ら辞めたくなるよう、巧妙に作り込まれています。

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