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コロナで「退職勧奨」が増加、自尊心を傷つける巧みな「マニュアル」

弁護士ドットコムニュース / 2021年7月27日 9時51分

自身の能力を否定された方にお話をうかがうと、今後の生活への不安が頭に浮かんでしまうからか、あるいは恥ずかしさが先に立つからか、同じく被害に遭っている同僚と力を合わせて戦おうという考えにはなかなか至らないようです。そのような考えに至らないよう、会社は巧妙に個人攻撃をしてくるのです。

会社は、会社のやっている人事措置に対して、まとまって反撃をされることを実はとても恐れます。労働者の「私はこういうことを言われた」、「私はこうだった」という証言から、会社の行っている措置の矛盾点が明るみになってしまうし、仮に負けた場合に会社が支払わなければならなくなる金額も膨大なものとなってしまうからです。

●労働者同士のつながりを大切にする理由

裏を返せば、そこが会社の弱点です。そのため、労働相談を受けた問題を解決するにあたり、私がとても大切にしているのは、労働者同士のつながりです。古典的なことばを使うなら、「団結」です。

私は相談者の方に、「同じような被害を受けた方は、他におられませんか?」「まとまってたたかうことはできませんか?」と必ず聞いています。そのため、私が担当している労働事件で、相談者や協力者が複数名、次々に私のもとを訪れたり、あるいは私の方からお会いしに行ったりすることは珍しくありません。

そこからいつ、どのように具体的なアクションにつなげ、依頼者らの言い分に耳を傾けつつ着地点をどのように探っていくかが、労働弁護士の腕の見せ所であり、極めて創造性を要求される作業だと思います。

次々に当事者・協力者が現れ、ひどい職場の様子を切々と訴えられるような事件では、私の経験上、負けた記憶がほぼありません。労働事件以外の事件だと、客観的な証拠しか見ない裁判官も多いようですが、労働事件では必ずしもそうではないと感じます。

一つ言えるのは、職場の人間関係がばらばらになりきっていない早期段階で相談をしていただけると、比較的まとまりが作りやすいということです。船が沈みかけており、誰もが自分のことしか考えていないという状況にすでになってしまっている事件は、取りうる手段も限られてしまい、いい結果に繋がらないことも多いため、お断りすることも正直多いです。

そして、労働者のつながりの受け皿となるべきなのが、労働組合です。労働組合は、まさに労働者の団結を権利として保障するために、人間の歴史の中で生み出された組織。労働組合がきちんと要求することで、裁判所の手を借りずに解決できた事件は数限りなくあります。

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