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「最終的には覚悟しかありません」常連客からの好意、セクハラ…苦慮する飲食店の声

弁護士ドットコムニュース / 2021年8月1日 10時26分

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2021年6月、大阪でカラオケパブを営む女性店主が、常連客の男性に殺害されるという痛ましい事件が起きた。加害者は女性に一方的に好意を寄せ、出入り禁止を言い渡されても通い続けて、凶行に及んだという。

筆者は新宿でバーを経営しており、この事件には大きなショックを受けると同時に、モンスター客の恐ろしさを改めて感じた。同業者たちも一様に衝撃を受け、被害者に心を寄せ、我が事として受け止めている人は多かった。客の「好意」とどう向き合うべきか苦慮する店主たちに話を聞いた。(ジャーナリスト・肥沼和之)

●「首をなめたい」セクハラ発言を延々と

バーやスナックなど水商売の客の多くは、人で店を選んでいる。馴染みの店主やママやスタッフや常連客たちと、楽しい時間を過ごしたいからその店に通うのだ。

ただ時折、恋心や下心を抱いた客が、店側の人を口説こうとしたり、セクハラをしたりなど、一線を越えてこようとすることもある。水商売はコト消費のため、支払い後に客に残るのは酔いと記憶だけ。モノは何も残らないため、少しでも元を取りたい、という心理も働くのかもしれない。

実際、バーやスナックなどの水商売で働く十数人の女性に話を聞いたところ、大なり小なりだが、ほとんどが客から誘いやセクハラを受けた経験があった。

「会計のときに手を握られ、止めてくださいというまで離してくれなかった」
「首をなめたい、貞操がゆるそう、などセクハラ発言を延々とされた」
「連絡先を聞かれて断ったが、名前からSNSを調べられて何度も連絡がきた」
「プレゼントを渡され、好きだ、家に行きたいと迫られた」

だが、大きなトラブルや事件になったケースは皆無だった。ここから見えてくるのは、客の多くは分別を持っており、そのうえで「あわよくば」と店側の女性に誘いやちょっかいをかけている、ということ。うまくいけば儲けもの、ダメなら引き下がればいい、怒られたら謝ればいい、というスタンスなのだ。

また店側の多くも、店主とスタッフが要注意の客の情報共有をしたうえで、うまく受け流したり、その分お金を使ってくれるならいいかと割り切ったり、毅然と注意したり、ときに出禁といった強い措置を取ったりして、トラブルへの発展を防いでいる。そして実際、多くの場合、水商売は比較的平和に回っている。

ただ、どれだけ徹底しても、どうしても防ぎきれない事案がごくまれに発生してしまう。

被害にあった大阪のスナック店主も、加害者に「あなたのことが好きではない」「もう来ないでください」ときっぱり告げていたようだが、それでも彼はお店に通うのを止めなかった。そのような分別を持っていない、あるいは失ったモンスター客から、可能な限りお店を守るためにはどうすればいいのか。

●「最終的には覚悟しかありません」

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