「パーマ失敗」美容室に490万円を請求・・・裁判で「高額な賠償」は認められるか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月30日 12時30分

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パーマの仕上がりに対して、美容室はどこまで責任を負うのだろうか。香川県の女性が「パーマの失敗」を理由に、美容室経営者に約490万円の損害賠償を求める裁判を起こし、話題になっている。

報道によると、女性側の主張はこんな内容だ。昨年1月、この美容室でデジタルパーマに失敗し、毛がもつれた。矯正のため、その後5月と7月にストレートパーマを受けたが、今度は毛が縮れ、髪を15センチ以上切ることになった。そのため、7月の結婚式が「台無しになった」のだという。

一方、美容室の経営者側は「施術ミスは5月だけ」「どこまで責任を負うべきか、裁判ではっきりさせたい」と話しているという。

専門家の目には、この裁判はどのように映るのだろうか。消費者問題にくわしい大熊裕司弁護士に意見を聞いた。

●490万円という請求金額は「かなり高額」

「被告の美容師は、パーマを失敗したことについて一応はその責任を認めているようですので、その範囲で被告に過失があったことは認められると思います」

大熊弁護士はこのように切り出した。そうなると、損害賠償が認められる可能性も出てきそうだが・・・。

「ポイントは、女性が請求している約490万円という金額でしょう。

たしかに『一生に一度の晴れ舞台』である結婚式を台無しにされた女性の気持ちからすれば、このような請求額になるのもわからなくはありません。

しかしこれは、客観的にみると、かなり高額な請求であるという印象は否定できません」

●女性の「気持ち」をどの程度、考慮するのか

請求額の主な内訳は、まず慰謝料が220万円。それに加えて、髪の毛が元の長さに戻るまでの6年間のトリートメント、ヘッドスパ、カラーリングなどの損害額が約230万円だというが・・・。

「まず慰謝料ですが、パーマを失敗したことの過失の大きさや、『一生に一度の晴れ舞台』である結婚式を台無しにされた女性の気持ちをどの程度、考慮するかがポイントだと思います。

ただし、日本の裁判所が通常認める慰謝料額は、もともとアメリカなどに比べて低いため、220万円という金額が認められる可能性は、ほぼないでしょう」

ほかの「損害」についてはどうだろうか。

「残りの部分の大半はヘアケア代金についてですが、髪が元の長さになるまでの6年間のトリートメント料などを、損害として賠償しなければならない理由も見出せませんね」

そうなると、一般論としては、パーマの失敗で認められる「損害額」は、さほど多くないと考えてもいいのだろうか? 大熊弁護士は次のように話していた。

「過去の裁判例などから、パーマの失敗により不快な思いをしたとして、慰謝料を請求したとしても、そこで認められる慰謝料の金額には限界があるのが実情です。

したがって今後も、美容室との間でトラブルが発生したとしても、代金の返金などで対応する方法が現実的といえ、裁判を起こすという方法は、それほど多くは発生しないのではないかと思います」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
大熊 裕司(おおくま・ゆうじ)弁護士
第一東京弁護士会所属弁護士。家事事件、消費者問題、知的財産関係、インターネット問題(ネット上の名誉毀損、誹謗中傷対策など)を中心に扱っている。
事務所名:虎ノ門法律特許事務所
事務所URL:http://www.toranomon-law.jp/

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