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イラストの「トレパク」法的問題は? 「構図が思いつかず」トレース、1枚1500円で販売

弁護士ドットコムニュース / 2021年8月22日 9時59分

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元の絵を透かして上からなぞる「トレース」。トレースによるパクリ行為は「トレパク」とも呼ばれていますが、弁護士ドットコムには「トレパク」したイラストを販売した女性から「訴えられる可能性はどれくらいなのでしょうか」という相談が寄せられています。

女性はSNSでイラストの依頼を受け、好きなスマホゲームのイラストの輪郭や目、手の形、大まかなポーズをトレースし、1枚1500円で販売しました。

女性は「イラストの構図が思いつかなかったことや、全部でなく一部だけならトレースしていいのだと思っていた」と振り返り、髪型や服装、目の色や表情などはオリジナルだったといいます。

果たして女性の行為は、法的に問題となるのでしょうか。佐藤 孝丞弁護士に聞いた。

●表現上の本質的特徴を備えているか

——トレパクには、どのような法的問題がありますか?

著作物をトレパクして利用する行為は、著作権等の侵害になる可能性がありま す。

今回は、トレパクの元になったコンテンツが著作権法上保護される著作物(著作権法2条1 項1号)に該当することを前提に、著作権等の侵害となるかどうかという観点で、話を進め ます。

著作物をトレパクして利用する行為が著作権侵害に該当するかどうかを判断する場合、トレパクコンテンツが、元のコンテンツの総合的な表現全体における表現上の本質的特徴(創作的要素)を備えているかどうか、という観点が一番問題になります。

——本質的特徴というのは、何を指しているのでしょうか。

何をもって本質的特徴とするかは、ケース・バイ・ケースです。

例えば、表情のあるイラストが問題となった裁判例では、本質的特徴を表情であると捉 える傾向があります。また、江戸時代の焼継師を描いた絵画が問題となった際に、天秤棒 から二つの箱をつるして歩きながら後ろを振り向いている焼継師の後ろ姿を「特徴的表現 」としてピックアップした裁判例もあります。

一方で、絵画の縮小コピーが問題となったある裁判例では、「絵画の描く対象、構図、色彩、筆致等」を創作的要素としました。

——今回のケースでは、元のイラストがどのようなものかは不明ですが、どう考えられます か。

女性がトレースした「輪郭や目、手の形、大まかなポーズ」と女性のオリジナルである「髪 型や服装、目の色や表情」のどちらが本質的特徴と捉えられるかによって、今回のトレパク に関する行為が複製権(著作権法21条)や翻案権(同法27条)といった著作権及び著作者人格権(特に同一性保持権。同法21条1項)の侵害になるかどうかの結論が分かれるでしょう。

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