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ニルヴァーナのジャケ写「全裸赤ちゃん」提訴が話題、日本の法律で「児童ポルノ」にあたる?

弁護士ドットコムニュース / 2021年8月30日 10時12分

――過去に撮影されたものでも「児童ポルノ」にあたる?

法律上、児童の定義は、実在する18歳未満の者ですが(児童ポルノ法2条1項)、年齢要件は、撮影された時点で判断されます。児童を撮影した場合は、撮影後、何年経っても、児童ポルノ性は失われません。

――芸術性があってもダメなのか?

芸術性については、いわゆる「CG児童ポルノ事件」の東京高裁判決(平成29年1月24日)が「学術研究、文化芸術活動、報道等」への配慮条項(児童ポルノ法3条)を受けて、当該画像等の具体的な内容に加え、それが作成された経緯や作成の意図等のほか、その画像等の学術性、芸術性、思想性等も総合して検討し、性的刺激等の要素が相当程度緩和されていると認められる場合には、性欲を興奮させ又は刺激するものに当たらず、児童ポルノには該当しないと解すべきである」と判示していて、一定の理解を示しています。

この判決によれば、アルバムジャケットなどの画像も、こういう芸術性を備えれば、児童ポルノ性が否定される余地はありそうです。

――今回の米国の裁判をどう見ますか?

児童ポルノの被害というのは、「性的虐待」であって、児童の健全な育成を阻害しつづけるという継続的な害悪ですが、日本の刑事損害賠償命令(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律23条)では、金銭賠償になじまないとして、児童ポルノ罪は対象外となっており、民事訴訟になることは稀です。

対照的に、アメリカの連邦法(18 USC §2259)では、児童ポルノ関連犯罪では、必要的被害弁償が命じられることになっていて、賠償の範囲の規定もされていることから、金銭賠償が一般的なようです。

最近の論稿(隅田陽介「インターネット時代における児童ポルノの所持と被害弁償(2・完)」)などによれば、単純所持者に対する損害賠償請求が認められる場合があると報告されています。

【取材協力弁護士】
奥村 徹(おくむら・とおる)弁護士
大阪弁護士会。大阪弁護士会刑事弁護委員。日本刑法学会、法とコンピューター学会、情報ネットワーク法学会、安心ネットづくり促進協議会特別会員。
事務所名:奥村&田中法律事務所
事務所URL:http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/

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