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企業の退職勧奨、「パワハラだ」と労働者に訴えられる新たなリスク

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月25日 9時37分

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新型コロナウイルスの影響で、企業の人員整理が話題になることが多いが、コロナ以前から、黒字にも関わらず中高年リストラを繰り返す企業の動きが注目されており、「雇用をどう終わらせるのか」という問題が様々な企業で起きている。

しかし、日本の雇用システムでは、正社員が中核として据えられており、法的にも解雇には非常に高いハードルがある。

そこで、企業からのアプローチとしては、希望退職、退職勧奨などの手段がとられることが多いが、企業にとって、どんなリスクがあるのか。また、日本における「雇用の終わらせ方」は今後も変わらないのか。使用者側の人事・労務問題にくわしい岩出誠弁護士に聞いた。(新志有裕、齊藤理木)

●違法な退職勧奨にならないよう、マニュアルが活用されている

――退職勧奨をすること自体は違法ではないとの裁判所の判断がありますが、それでもやり方によっては違法になる可能性もあります。企業どんな点に注意しているのでしょうか。

大手国内企業と外資系企業は退職勧奨のやり方に関するマニュアルを活用しています。具体的な人数、面談の回数、喋り方など、詳細に書かれています。

退職勧奨自体は違法ではないので、必要性と相当性が認められるやり方をしています。

長時間や多人数による面談、人格否定的な発言や脅しはしないよう、マニュアルに沿って退職勧奨しています。対応が難しそうなケースでは、人事部も面談に同席し、行き過ぎた退職勧奨がなされないよう監視することもあります。

退職勧奨のやり方が相当であると言われるために、退職金に上乗せすることもあります。相場は2年分の給料ですが、退職勧奨の理由が弱い場合には相場を上回る5年分やそれ以上の額を提示することもあります。

――よく労働者側は録音をすることがありますが、企業側も録音をしているのでしょうか。

そうですね。後から退職を強制されたと言われないよう、企業側も録音することが多いです。録音しても違法な証拠になることはありません。

もちろん、きちんと担当者が注意して、人格否定の発言など、余計な発言を抑制することが大事です。

●退職合意が有効ではないと裁判所にひっくり返されるリスクも

――退職勧奨に応じない労働者がいる場合、企業はどう対応するのでしょうか。

労働者が絶対に退職しないという意思を明確にした場合、退職勧奨には必要性の要件もありますので、いったん会社は手を引くと思います。実際の裁判例を見ても5回程度の面談が限界です。

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