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巨大プラットフォーム「ウーバー」との戦いに氷河期世代が感じる「職場にない面白さ」

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月19日 9時16分

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ITを駆使して、人手を介さずにフード宅配の注文と配達員のマッチングが行われるウーバーイーツ。世界的にメジャーな「プラットフォーム型労働」であり、企業側の経営方針と配達員の要求の間に軋轢も生まれている。

配達員たちで結成された「ウーバーイーツユニオン」の執行委員長をつとめる土屋俊明(45)は「我々は人間扱いされていない」と強い批判を展開し、報酬、労災、補償などの仕組みの改善を求めている。

一方、就職氷河期世代で非正規社員の経験しか持たない土屋にとっては、ウーバーイーツとの戦いは時に「収奪されている」と感じながら、やりがいも抱いているという。「これまで仕事を通じた成功体験なんてなかった」と語る土屋はなぜ、ウーバーイーツと戦う気持ちになったのだろうか。(編集部:新志有裕)

●事故を報告したら、アカウント凍結の可能性を告げられ激怒

土屋がウーバーイーツに初めて登録したのは2018年7月だった。当時の勤務先を退職し、別の職場で働くまでの「つなぎ」のつもりだった。新しい職場は接客業で、その仕事に移行したが、職場でのパワハラ被害に悩み、2019年2月に退職。傷病手当が切れた5月にウーバーイーツを再開したものの、免停になるなど不安定な生活を送ってきた。

2019年7月、渋滞する道路を原付で配達中に先行車に近づきすぎ、急ブレーキの末に濡れた路面でスリップ、転倒した。バッグの中の商品には大きな問題がなかったため、「これだったらいける」と配達を続けたが頭部ほか数か所に打撲や擦り傷を負っていた。

事故をマニュアル通りに運営会社に報告したところ、今後こういうことが起きた場合、アカウントを凍結する可能性があるという旨の返信があり「転んで怪我しただけなのになんでこんな脅しみたいなものを受けないといけないのか」と憤った。そんな時に知ったのがユニオン結成の動きだ。呼びかけをしていた川上資人弁護士にツイッターで連絡して準備会に参加した。

それ以来、ユニオンのメンバーとして関わり始め、配達員を対象とした「事故調査プロジェクト」にも積極的に携わった。

そんな土屋が執行委員長になったのは、2020年11月のことだった。

●「収奪される」存在として、同志たちと戦う

それまで土屋は、何らかの組織に「所属する」という感覚を抱いたことはなかった。氷河期世代として、社会人になって以来、ずっと非正規で仕事をしてきたからだ。

「気付いたら私はもう『おじさん』になっちゃってたんですね」と苦笑いする。

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