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「人権意識」のメッキ剥がれた東京五輪、佐藤暁子弁護士が語る「閉幕後」に取り組むべき課題

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月26日 9時2分

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東京五輪・パラリンピックが閉幕した。コロナ禍で開催されたスポーツの祭典には、さまざまな批判の目が注がれたが、その一つが人権問題だった。

オリンピック憲章では、人種や性別、性的指向、言語、宗教、政治的意見、社会的な出身などあらゆる差別を禁止している。

また、東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は、持続可能性に配慮した「調達コード」を設定し、人権などを遵守しなければならないとしていた。

つまり、差別やハラスメントの排除、マイノリティの人々の権利の尊重などが明記されていた。

しかし、東京オリンピックでは、これらの憲章や調達コードは本当に守られていたのだろうか。今、日本の社会にはどのような人権意識が求められているのだろうか。

国際人権問題に取り組んでいる佐藤暁子弁護士に聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●人権にどう向き合うかが「オリンピック」という場

まず、東京オリンピックで評価できる点を尋ねてみたところ、佐藤弁護士は言葉を選びながらこう答えた。

「問題点が明らかになったことが、評価できる点かもしれません。開会まで、本当に枚挙にいとまがないほど、いろいろな問題が起きました」

2021年2月、当時の大会組織委員会長だった森喜朗氏が、日本オリンピック委員会の評議会で女性蔑視発言をしたとして批判が殺到した。続いて3月、開閉会式の演出を総括していたクリエイティブディレクターの佐々木宏氏が女性タレントの容姿を侮辱するような演出を提案していたことが発覚して炎上した。両氏ともに辞任している。

さらに開幕直前の7月、開会式の作曲をミュージシャンの小山田圭吾氏が、障害を持つ同級生を「いじめていた」という過去の雑誌記事がネットで拡散され、やはり辞任に追い込まれる。

開会式の前日にも、ショーディレクターだった小林賢太郎氏が、過去のコントでホロコーストを題材にしていたとして、米国のユダヤ人人権団体から非難声明が出され、国際的な問題に発展して辞任した。

「オリンピック憲章で人権の尊重や差別の禁止、また多様性をうたっていながら、実際には、これまで日本社会のマジョリティは目をつぶってきた。それが浮き彫りになってしまったなと思いました。

たとえば、聖火リレー最終走者に大坂なおみさんが選ばれましたが、その後、『森喜朗氏が『純粋な日本人男性を望んでいた』と報じられました。

SNSでも、『なぜマジョリティの日本人じゃないのか』というバッシングがありました。人権に対する認識の偏りを感じましたね」

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