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「破産者マップ」運営者を提訴 「官報情報をネットで広めることは問題だ」

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月24日 13時38分

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破産者情報をGoogleマップで可視化していたインターネットサイト「破産者マップ」をめぐり、情報を公開された過去の破産者2人が、サイト運営者に対して、慰謝料など22万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。提訴は8月5日付。

訴状などによると、破産者マップは2018年12月から2019年3月19日までの間、破産者などの氏名、住所、事件番号などを官報インターネット版の情報に基づき掲載。Googleマップを利用して、地図上に破産者等をマッピングしていた。現在は閉鎖されており閲覧できない。

掲載当時から、名誉やプライバシーの侵害などの懸念が指摘され、被害対策弁護団も結成されていた。今回提訴した原告の代理人も被害対策弁護団のメンバーが務める。

弁護団長で原告代理人を務める望月宣武弁護士は、9月24日におこなわれた第1回口頭弁論期日後に開かれた会見で、「破産者マップ自体の違法性をきちんと裁判所に判断してもらうのが第一だと思い、提訴に至った」と話した。

●原告は名誉・プライバシーの侵害を主張

氏名や住所を含む破産者情報は官報で公表されており、インターネット上でも閲覧できる。もっとも、すでに公開されている情報であるからといって、これを自由にインターネットなどで転載できるかどうかは別問題とされる。

官報等による伝達範囲は、事実上閲覧する人に限定されており、これをみだりに公表されない利益は法的に保護する必要があるというのが、原告側の主張だ。

原告代理人の住田浩史弁護士は、「名誉やプライバシーの権利を侵害している」と説明する。

「破産事件の多くは、消費者金融や住宅ローンなどの借り入れを返済できなくなったという、事業者ではない個人の破産です。破産者マップにおける情報公開では、事業者や非事業者の区別をせず掲載していました。

非事業者の破産情報が、正当な関心の対象となるとは考えにくく、破産者マップでの情報公開には公共性や公益目的は認められないと思います」

みだりに破産者情報を公開されるような事態になれば、現在破産手続きを検討している人が萎縮してしまうかもしれないことも懸念している。

「コロナ禍で、経済的に苦しんでいる方は大勢います。破産手続きは、いざというときにそういった方々の窮地を助ける法的手段です。

しかし、破産手続きをとることで、ネット上で自分の個人情報を広く公開されるとなれば、手続きをとることに躊躇してしまう人も出てくるかもしれません」

●「被告に名前等を知られてでも訴えるというのは相当なリスクが伴う」

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