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子どもが「妻の死の象徴」に思えた辛い日々、死別シングルファーザーの葛藤

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月29日 9時45分

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同じ「ひとり親」でも、シングルマザーに比べ、シングルファーザーは少数派だ。

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、ひとり親家庭数141.9万世帯のうち、母子世帯数は123.2万世帯、父子世帯数は18.7万世帯。ひとり親世帯の9割弱が母子世帯となっている。

父子世帯がひとり親世帯になった理由として、同調査では離婚が75.6%、死別が19.0%となっており、配偶者と死別したシングルファーザーは特に少ない。

妻を亡くし2児のシングルファーザーである池上康夫さん(40・仮名)は、「同じような境遇の方と交流したいと思っても、なかなかそういう機会が見つからない。社会的に孤立している感じがした」と話す。

死別の場合、病気や事故で突然の別れとなり、子育て以前に親本人のケアが必要なことも少なくない。「妻を亡くして2年弱経ち、なんとか精神的にも対処できるようになってきた」という池上さんに、今に至るまでの思いを聞いた。(編集部・若柳拓志)

●「羊水塞栓症」で突然の別れに

2019年11月に妻を亡くした池上さんは、現在6歳の娘と1歳10カ月の息子をもつ2児のシングルファーザーだ。

妻は、息子の出産時に、羊水が母体血中へ流入することにより生じる「羊水塞栓症」となり、37歳の若さで帰らぬ人となった。

「息子は無事生まれましたが、妻は出産当日に心肺停止状態になってしまい、1日足らずで亡くなりました」

妻に持病はなく、妊娠中も母子ともに健康状態に問題はなかった。まったくの予期せぬ別れだったこともあり、忌引き休暇が明けたあとの仕事も「当然できる状態ではなかった」ほど、つらい思いをした。

会社に出勤しても、しばしば健康管理室で休んだりしていた。会社には育休制度が整っているが、男性が育休を取りやすい雰囲気はあまりなく、昇進の話が出ていたこともあり、今後のキャリアや稼がなければいけないという思いから取得しなかった。

このままの状態ではまずいと思い、同じ境遇の人やその集まりを探して話したり、心療内科でカウンセリングを受け、薬を服用するなど、「やれることは色々やってみた」。

「1日の中でも気持ちの波があって、色々思い出してしまい、寝られないことも少なくありません。特に最初の3カ月は、睡眠薬を飲まないと寝られない状態でした」

●実家の母親がサポート「なければ仕事続けるのは難しかった」

自分のことで手一杯な状態でも、待ってくれないのが「子育て」だ。妻の死で、生後間もない乳児を含む2児の子育てを一人で背負うことになった池上さんだが、当然仕事も続けなければならない。

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