1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

コロナ拡大でも「結婚式は挙げられた」 宣言前の「キャンセル」認めない判決どう見る?

弁護士ドットコムニュース / 2021年10月21日 12時16分

——「不可抗力であっても顧客都合のキャンセルと同様の扱いにする」という約款になっていた場合は?

この場合、消費者の利益を一方的に害する条項として、無効になる可能性が高いでしょう(消費者契約法10条)から、基本的には民法の規定に従うことになると思います。

つまり、本件では、不可抗力の場合にはキャンセル料を一切支払う必要がなく、不可抗力でなければ、約款の定めたキャンセル料の支払が必要ということになります。

●緊急事態宣言の期間に結婚式が予定されていたら…「不可抗力」認められる可能性高い

——結婚式の予定日が4月7日以降の宣言期間中であれば、地裁の判断は「全額または一部返却」に変わっていた可能性も?

緊急事態宣言の期間中であることは、大きな考慮要素であることは間違いありません。一般論としては、不可抗力と認められ、支払が不要になる可能性は高くなると思います。

なお、宣言の前日、ブライダルの業界団体は、会員企業に対し、緊急事態宣言が発令された場合は、実質的に結婚式の実施は難しくなると想定されるので新郎新婦と十分意思疎通を図ってほしいとの要請をしたようで、宣言中の中止は不可抗力と考えていたようです。

ただ、この判決は、宣言中も結婚式場は休業要請の対象外だったことも不可抗力とはいえない理由の1つに挙げているようなので、同じ裁判官が判断した場合、同じ結論の可能性はあります。

●最初の宣言前、日本はどんな状況だったか

個人的には、この判決には反対で、最初の宣言前の時期であっても不可抗力と認めるべきだったと思っています。

最初の宣言前の状況というのは、新型コロナウイルスは今以上に得体の知れないもので、学校も一斉休校していました。「3密」と言われ始めたのも、緊急事態宣言の制度(コロナ特措法)ができたのも、3月のことです。おそらく、結婚式場が休業要請の対象に入らないと分かる状況ではなく、どれだけ天井が高くて、どのくらい人と離れたら3密を回避できると言えるのかもはっきりしない。

今の緊急事態宣言がない時期のキャンセルとは全く事情が違います。裁判所の理由付けには無理があります。私は、挙式決行など社会通念上不可能だったのではないかと思います。

【取材協力弁護士】
大村 真司(おおむら・しんじ)弁護士
広島弁護士会所属。広島弁護士会 非弁・業務広告調査委員会委員長、消費者委員会委員、国際交流委員会副委員長、子どもの権利委員会委員
事務所名:大村法律事務所
事務所URL:http://hiroshima-lawyer.com

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング