「日本を超ギャンブル大国にする必要はない」弁護士らが「カジノ解禁」に反対する理由

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月10日 15時28分

写真

関連画像

2020年のオリンピックが東京に決定したことを受け、観光客へのアピールにつながるとして、「カジノ解禁」に向けた気運が高まってきた。

国会では現在、いわゆる「カジノ法案」(正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)が審議されている。カジノ施設の誘致先として、大阪や沖縄、東京・お台場などといった具体的な名前もささやかれている。

一方で、カジノ解禁に反対する声も根強くある。4月12日には、弁護士らのグループが「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会」を発足させる。彼らは、どうしてカジノに反対するのだろうか。同協議会の新里宏二弁護士に聞いた。

●「ギャンブル依存症による悲劇をつぶさに見てきた」

「私たちはこれまで、多重債務者の救済に取り組み、2006年12月にはグレーゾーン金利を撤廃するなどの法改正を実現してきました。

その中で、ギャンブル依存症で借金を重ね、家族をなくし、犯罪に染まり、はては自殺に至る事案など、多くの悲劇をつぶさに見てきました」

カジノ反対協議会設立の背景について、新里弁護士はこう述べる。いま立ち上げようとしたのは、なぜなのか。

「東京オリンピックに合わせ、カジノ(民間賭博場)を解禁し、国の内外から観光客等を誘致し、日本経済の活性化を図ろうという動きが加速しています。私の地元・仙台でも、被災地の振興策として、カジノを誘致するという報道がされました。

そこで今回、多重債務問題やギャンブル依存症問題に関わっている方や大阪・沖縄などでカジノ反対運動を行っている方、消費者団体や労働団体などに広く呼びかけ、本協議会を結成することになったのです」

●日本はすでに「ギャンブル大国」である

そもそも、なぜカジノに反対するのだろうか?

「賭博は古来より、勤労の美風等を損ない、犯罪を惹起するなどの理由から、日本では厳しく罰せられてきました。

また、依存症問題も深刻です。2008年の厚労省による調査によると、日本の成人男性9.6%、成人女性1.6%がギャンブル依存症患者です。人口換算すると、その数は560万人にも及びます。

それもそのはず、2010年のパチンコの売上は19兆3000億円、それ以外のギャンブルおよび宝くじの売上は5兆300億円にも達しています。すなわち、日本はすでに『ギャンブル大国』となっているのです」

●「カジノ法案の成立阻止のため全力を傾けたい」

「このギャンブル依存症に特効薬はありません。依存症患者は、ギャンブルのため借金を抱え、その支払いに追われ、強盗や窃盗などの凶悪犯罪を犯し、まわりの家族や友人にも多大な苦しみを与えます。カジノは、そんな依存症問題を加速させます。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング