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暴力や性被害が深刻な芸術分野のハラスメント、背景に「弱い立場」 笠置裕亮弁護士「法整備が急務」

弁護士ドットコムニュース / 2021年12月27日 9時55分

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近年、映画や演劇、美術など表現の関わる分野で、ハラスメントの告発や調査が相次いでいる。

今年3月、表現活動に関わる人に対するハラスメントについての調査結果をまとめた報告書「『表現の現場』ハラスメント白書2021」が公表されると、大きな反響を呼んだ。

調査をしたのは、アーティストや研究者らでつくる「表現の現場の調査団」。その報告書によると、指導的地位を利用した性的なハラスメントがジャンルは問わず広く見られ、中には性行為まで強要された人もいた。また、回答者のうち、フリーランスは5割を超え、労働問題に絡んだハラスメントも多かった。

なぜ、ハラスメントが起きてしまうのか。この調査にオブザーバーとして関わった労働弁護団の笠置裕亮弁護士は「一言でいうと、誰も何も守ってくれない状態があるからです。法律も、バックアップしてくれる窓口も少ないことが背景にあります」と指摘する。

労働者保護という視点から、表現の分野で起きるハラスメント問題を笠置弁護士に聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●フリーランスに法的な保護が行き届かない

——調査結果をみて、どう思いましたか?

ハラスメント被害の内容が、私が日頃、よく見ている民間企業でのハラスメントとは異なっていて、より深刻だと思いました。民間企業でのハラスメントは言葉によるものが多いのですが、表現の現場では身体的への暴力や、性的な被害が多いという特徴がありました。

たとえば、この調査でセクハラを受けたことがあると回答した人は1449人中1161人でしたが、そのうち、「身体を触られた」という人は503人、「望まない性行為をされた」という人は129人もいました。ちょっと考えられないぐらいの割合です。

——なぜこうしたハラスメントが起きるのでしょうか?

その原因はいくつかあると思っていますが、一言でいうと「誰も守ってくれないし、何も守ってくれない」ということです。そこに加害者がつけいっているわけです。

たとえば、演劇や映画の照明、舞台装置の方は、会社に雇用されているケースもありますが、多くの方がフリーランスという立場で、業務委託契約のもと働いています。俳優の方も同じです。

雇用の場合には、労働基準法、労働契約法などがありますので、そういったものに基づいて、労働者としていろいろな法的保護が受けられます。

ほかにも、セクハラだったら、男女雇用機会均等法によって雇用主に配慮が義務づけられていますし、パワハラも労働施策総合推進法——パワハラ防止法と言われてますけれども——で2020年からパワハラ防止に向けた措置義務が明記されています。

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