1時間に3回も「逮捕」された! 警察に「拘束」される時間も3倍になるの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月23日 17時23分

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兵庫県に住む40代の男が、1時間のうちに3回も、警察に現行犯逮捕されたとして、話題になっている。報道によると、この男は3月下旬、兵庫県赤穂市内にある郵便局の駐車場で、器物損壊の疑いで現行犯逮捕された。駐車場に設置されていた石こうボードを壊したというのだ。

その45分後、警察署で取調べを受けているとき、男は部屋の壁を数回殴ってへこませたとして、またしても器物損壊の容疑で現行犯逮捕された。さらに、その約10分後、隣にいた警察官にコップの水をかけたとして、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された。男は当時、酒に酔っていたという。

一般的に、容疑者が警察に逮捕されると、一定の時間内に検察に身柄を送られて勾留されるか、釈放されることになる。今回のように、1時間のうちに3回も逮捕されてしまった場合、単純に計算して、警察や検察に拘束される時間も3倍になるのだろうか。刑事手続きにくわしい荒木樹弁護士に聞いた。

●1つの犯罪について、逮捕・勾留は1回しかできない

「逮捕などの身柄の拘束には、刑事訴訟法上、『一罪・一逮捕・一勾留』の原則があります」

荒木弁護士はこう述べる。つまり、1つの罪について、逮捕・勾留は1回だけというのが原則ということだ。とすると、今回のように3つの犯罪事実があれば、3回の逮捕・勾留がおこなわれるべきなのだろうか。

「この原則は、被疑者に対する人権保障の観点から認められたものです。

したがって、複数の犯罪事実に関して、1回だけの逮捕・勾留をすることは許されます。判明した複数の事件を、1回の逮捕状の中に記載して処理することは、問題ないのです。

被疑者にとっても、たとえば2つの犯罪事実が判明した場合に、2回逮捕されるよりは、1回の逮捕で事件処理されるほうが、有利だからです」

捜査機関は、1回の逮捕・勾留によって、原則として最大23日間、被疑者の身体を拘束できる。被疑者にとっては、何度も逮捕・勾留を繰り返されるよりは、1回ですませてもらったほうが、好ましいといえるだろう。

●間隔をあけて3回逮捕すれば、身体拘束の期間は長くなる

だが、今回の事件では、立て続けに3回の現行犯逮捕が繰り返されている。これは問題ないのだろうか?

「こういう形で逮捕することも、何ら問題はありません。このような場合、捜査機関は、それぞれの逮捕について、その時点から並行して時間的な制約を受けることになります」

つまり、それぞれの逮捕のときから、刑事訴訟法が定める期限は進行を始めるのだという。

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