グローバルダイニング訴訟、原告が投げかける問い「コロナ時短命令、誰が責任とるのか」
弁護士ドットコムニュース / 2021年12月31日 7時47分

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2021年も新型コロナウイルス感染拡大は飲食業界に暗い影を落とした。緊急事態宣言による時短命令に応じる店もある一方で、グローバルダイニング(東京・港区)など、営業を続ける店も出てきた。
そんな中、東京都は時短命令に応じない7事業者32店舗に対し、3月に「時短営業命令」を発令。これに対し、グローバルダイニング社は時短命令は違法だとして、都を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告代理人の倉持麟太郎弁護士は、国や都の対応について「要請を中心とした法的義務なきお願いをベースに、市民社会に責任を丸投げしている」と厳しく批判する。
グローバルダイニング訴訟は2022年3月にも結審する予定だ。原告・グローバルダイニングおよび被告・東京都の主張など、ここまでの裁判の経過や注目点を確認する。(編集部・若柳拓志)
●「時短命令は違法」と提訴2021年1月7日、感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、飲食店を中心に時短の「要請」が出された。さらに、2月13日施行の新型インフルエンザ等対策特別措置法(改正特措法)で時短・休業などの「命令」ができるようになった。
これを受けて、東京都は翌月3月、時短要請に応じなかった7事業者32店舗に対し、2回目の緊急事態宣言が終わる3月21日までの3~4日間、「時短営業命令」を発令した。
この命令に黙っていなかったのが、都から命令を受けた32店舗のうち26店舗を運営するグローバルダイニング社だ。
命令自体には応じつつも、命令期間終了直後の3月22日に、時短命令は違法だとして、都を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
その後、感染拡大が止まない中、各地で時短命令が相次いで出され、沖縄県でも飲食店を経営する企業が時短命令を違法だとする提訴があった。
●訴訟は問題提起する場なので「請求額104円」原告側は、今回の裁判について、損害賠償請求が主な目的ではないとして、請求額は104円(1店舗1円×26店舗×4日間)と設定。
時短命令の違憲性・違法性を問うとともに、法的な根拠や科学的な根拠があいまいなまま飲食店営業を一律に制限することの是非、過剰な規制や改正特措法の違憲性について問題提起する場だと位置付けている。
具体的には、(1)時短命令は、時短要請に応じないことを発信していたグローバルダイニングを狙い撃ちしたもので、平等原則に反し、表現の自由及び営業の自由を侵害する、(2)同時短命令は特措法上の要件を満たしていない、(3)飲食店が主要な感染経路であるという明確な根拠もなく営業を一律に制限できる特措法の規定は、営業の自由を侵害しており違憲、などと主張している。
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