裁判所に申し立てる「仮処分」ってなに?どんな場合に認めてもらえるの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月23日 14時50分

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北陸地方の医大から解雇処分を受けた元教授が4月上旬、大学の処分は無効だとして、地位保全を求める仮処分を裁判所に申し立てた、というニュースが報じられた。裁判に関する報道では、この「仮処分」という言葉をときどき目にする。

たとえば今年3月、カラオケの使用料を支払わなかった熊本県の飲食店経営者を相手取って、日本音楽著作権協会(JASRAC)九州支部が、カラオケの利用差止めを求める「仮処分」を熊本地裁に申し立てた。ほかにも、マンションの建設禁止を求める「仮処分」の申立てというのもある。

この仮処分とは、そもそも、どんな制度なのだろうか。また、仮処分が裁判所に認められるには、どんな条件を満たさなければいけないのか。寄井真二郎弁護士に聞いた。

●「仮処分」には2つのタイプがある

「仮処分には2種類のものがあります。一つは、係争物に関する仮処分。もう一つは、仮の地位を定める仮処分です」

どちらも難しい言葉が使われていてわかりにくいが、どんな意味なのだろうか。まず、「係争物に関する仮処分」とはなんだろう?

「係争物に関する仮処分とは、物に関する給付請求権(たとえば、不動産の引渡請求権や移転登記手続請求権)の強制執行を保全するため、『目的物の現状を維持する処分』を言います」

つまり、不動産など物に関する争いがあるとき、裁判前や裁判中に相手方がその物を第三者に譲ってしまったりすると、裁判に勝っても目的をはたせないことがある。そういう不利益を未然に防ごうというのが、この「係争物に関する仮処分」だ。

では、もう一つの「仮の地位を定める仮処分」とは、どんなものか?

「こちらは、争いのある権利関係について『暫定的な処分』を行うことによって、債権者の現在の危険を除去し、将来における終局的な権利の実現が不可能になることを防止するものです」

こう寄井弁護士は述べたうえで、次のように続ける。

「これは『係争物に関する仮処分』と異なり、権利の種類を問いません。また、強制執行の保全を目的としていません。実は、報道で目にする『仮処分』の大半は、この『仮の地位を定める仮処分』です」

●仮処分は短時間で結論が出ることが多い

具体的に「仮の地位を定める仮処分」として、どんな実例があるのだろう。

「たとえば、労働者の地位を仮に保全し、賃金の仮払いを命ずる仮処分や、生活妨害行為の差止めを命ずる仮処分等があります」

カラオケの利用差止めやマンションの建設禁止を求める場合も、こちらのタイプの仮処分にあたるということだ。では、どのようなときに、この「仮の地位を定める仮処分」が認められるのか?

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