<AKB襲撃事件>負傷した18歳と19歳のメンバーに「労災」は適用されるのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月2日 15時29分

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「会いにいけるアイドル」AKB48の象徴的なイベントである「握手会」で5月下旬、惨劇がおきた。10代後半のメンバー2人と会場スタッフ1人がノコギリをもった男に切りつけられ、負傷したのだ。

報道によると、メンバーの川栄李奈さん(19)は右手親指の骨折と切り傷、入山杏奈さん(18)は右手小指の骨折と頭部に切り傷を負ったという。AKBの仕事として参加した握手会で、突然おそわれた2人にとっては、心にも大きな傷が残る事件だったのではないか。

会社員なら「労働災害」ということで、心身のダメージに対する保険金が支払われるケースだろう。だが、川栄さんと入山さんは、芸能事務所に所属するタレントだ。こんな場合、労災は適用されるのだろうか。労働問題にくわしい山田長正弁護士に聞いた。

●会社と雇用契約がなくても「労災」が認められることも

「労働災害が適用されるためには、労働者災害補償保険法上の『労働者』に該当する必要があります。そして『労働者』というと、一般的には、会社との間で雇用契約を締結している人が対象になると思われがちです」

雇用関係がない人も「労働者」と言えるのだろうか?

「はい。会社との間で雇用契約を締結していない場合であっても、一定の条件下では、労働者ということができます。それは、次の2つの条件を同時に満たすときです。

(条件1)会社の指揮監督下において労務の提供をする者

(条件2)労務に対する対償を支払われる者

以上の条件を満たせば、労働基準法上あるいは労働者災害補償保険法上の『労働者』として取り扱われ、労災認定される場合があります」

●会社の指揮監督のもと、労務を提供しているかどうか

では、AKBメンバーのようなタレントは「労働者」と言えるのだろうか。

「タレントの場合はまず、『会社の指導監督下で労務提供しているかどうか』(条件1)を判断しなければなりません。この場合は、下記のようなことが判断材料となります。

(A)仕事の依頼や業務の指示などに対して、YES/NOを自由に言える立場か

(B)業務の内容や方法について、会社から指揮命令があるか

(C)労働の時間や場所について、ある程度、拘束されているか

(D)本人以外の人物に、仕事を代替させることが可能か

タレント本人に自由がなく、本人以外でも代替できるような、あまり人気のない人材であれば、労働者性が高まるでしょう」

では、『労務に対してお金を受け取っているかどうか』(条件2)については、どうだろう。

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