「ツイてる!ツイてる!」 小学校「スーパーハッピー」動画を弁護士はどうみる?

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月4日 18時19分

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ある小学校の児童たちが「朝礼」で絶叫するという動画がインターネット上で話題となっている。拡散された動画を見てみると、担任らしき女性の掛け声に合わせて、クラスすべての児童が「おはようございます!」「ありがとうございます!」といった言葉を興奮気味に叫ぶ様子が映し出されていた。

さらに、女性が「やったらできる!」と言うと、児童たちは足を踏み鳴らしながら、同じ言葉を繰り返す。やがて、女性が「今日のスーパーハッピーは〇〇ちゃん!」と宣言。すると、他の児童が「ツイてる!ツイてる!」と連呼しはじめ、名指しされた児童は「ありがとう!」と絶叫でこたえた。

この動画に対して、ネット上では、ブラック企業や自己啓発セミナーを想起させるなどとして批判する声があがっている。子どもの権利にくわしい弁護士は、今回の動画をどのようにみるのだろうか。多田猛弁護士に聞いた。

●担任教師の考えの「押し付け」ではないか?

「『あいさつは自分からしよう』『お友達の心を大切にしよう』といった道徳教育を歌や踊りに乗せて学ばせるということは、多くの教育現場で行われていることです。しかし、この朝礼のようなやり方には、どうしても違和感を覚えますね」

このように多田弁護士は話す。

「その日は落ち込んだ暗い気分の子どもだっているはず。誰が『ツイて』いるかなんて、一種の占いのようなことを刷り込ませるのは、担任教師の考えの押しつけとも思えます」

具体的には、どのような点が問題といえるのだろうか。

「『幸せ』という言葉を聞くと、どうしても『自己啓発セミナー』が想起されるところで、講師の宗教、思想、信条などが現れやすいということに注意する必要があります。それをクラスの子ども全員に実践させることが妥当なのか、疑問を感じます。現に、この動画に写っているアドバイザーのような男性は『自己啓発セミナー』のような講演をしているようです」

小学校のクラスを自己啓発セミナー風に運営することには、どんな問題があるのか。

「自己啓発セミナーを利用した集団的マインドコントロールについては、大人に対しても懸念されています。この教師がそのような意図で行っていないものだとしても、保護者や社会は疑念を持つでしょう。周りからも疑問を持たれないような教育を施すべきだと思います」

●子どもへの「一方的な観念の植え付け」は許されない

「そもそも、公教育は、宗教、政治、思想から中立・公平であらねばなりません。そして、子どもの教育は、旭川学力テスト事件(最高裁昭和51年5月21日大法廷判決)で言われているように、『専ら子どもの利益のために行われるべきもの』です」

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