他人に寄贈した建物から「千両箱」が見つかった! 「お宝」は誰のもの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年7月8日 11時4分

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大判・小判がザクザク入った「千両箱」が、江戸時代に「伊勢商人」として知られた豪商の邸宅の蔵から見つかり、話題を呼んでいる。この邸宅は月2回(毎月第3金曜・日曜)一般公開されていて、6月中旬以降、見つかった大判・小判が展示されているという。

報道によると、千両箱が発見されたのは、豪商の子孫である長谷川家の14代当主から、三重県松坂市に寄贈された旧邸宅の蔵。千両箱は、同市教育委員会の職員が今年2月、調査中に見つけた。なかには、数百万円の値が付くこともあるという享保大判金のほか、慶長小判など54点が入っていたそうだ。

長谷川家は、千両箱も市に寄贈したと報じられているが、もし他人に寄贈した家から、財宝や埋蔵金が見つかったとすれば、自動的にそれも合わせて寄贈したことになるのだろうか。坂野真一弁護士に聞いた。

●「落とし物」と同じ扱いになる

「今回の千両箱については、長谷川家も存在を知らなかったようです。かなりの価値があるものですから、合理的に当事者の意思を解釈すると、長谷川家が家屋を寄贈する際、この千両箱も含めて寄贈する意思まであったとは、認めにくいのではないでしょうか。

また、千両箱は必ずしも、この建物で常用するための、たとえば畳のような従物(付属物)ともいえませんから、家屋の処分に従わせることもできません(民法87条)」

そうすると、千両箱は、誰のものになるのだろうか。

「その場合は、長谷川家が知らない間に、所有物の占有を失ったと考えられるでしょう。したがって、民法240条以下により、遺失物法が適用されると考えるのが妥当ではないでしょうか」

つまり、「落とし物」と近いような状況になる?

「そういうことになりますね。所有権は元の持ち主のままです」

●元の持ち主に返すか、警察に届けるか

すると、市の職員は「落とし物を拾った」という扱いになるわけだ。

「遺失物を拾得した人は、速やかに元の持ち主に返還するか、警察署長に届ける必要があります。もし警察に届けられて、一定の公告期間の間に持ち主が現れなければ、拾った人などに所有権が移ります。普通の遺失物の場合、公告期間は3カ月です」

今回は、元の持ち主がすぐ分かるケースだから、連絡を受けた長谷川家が、なんとも太っ腹なことに「千両箱も寄贈した」のだろう。

ちなみに、もしその千両箱が「埋蔵物」だったとしたら、元の所有者がわからないときの扱いが少し違うそうだ。

「埋蔵物だと、公告期間が6カ月になります。そして、他人の所有する物から埋蔵物が発見された場合、所有権は『発見した人』と『その物の所有者』との折半になります」

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