赤字企業にも課税する「外形標準課税」 中小企業への課税強化は「弱い者いじめ」か?

弁護士ドットコムニュース / 2014年7月12日 11時3分

写真

関連画像

日本経済の再生に向けて、安倍政権が6月下旬に決定した経済財政運営の「骨太の方針」。この中に、地方税も含めた法人実効税率を、現状の約35%から20%台へと数年で引き下げる目標が盛り込まれた。

今後は、実効税率を引き下げた分の代替財源をどうまかなうのかが課題になる。そこで検討されているのが、中小企業への負担増加策だ。

政府税調が示した法人税の改革案には、法人事業税(地方税)について、赤字でも事業規模に応じて課税する「外形標準課税」を資本金1億円以下の中小企業にも導入することや、2008年のリーマン・ショック後に導入された中小企業の「軽減税率」を見直すことなどが盛り込まれている。

報道によると、政府税調の大田弘子座長は「成長する企業を支える税にすべきだ」と述べているが、このような負担増加策は、体力のない中小企業を追いつめる「弱いものいじめ」にならないのだろうか。久乗哲税理士に聞いた。

●「赤字企業にも税負担を求めること自体は正しい」

久乗税理士は今回の改革をこう見ている。

「中小企業への課税強化については、プラスとマイナスの両面があると思います」

では、プラスとなるのは、どういった点なのだろうか。

「外形標準課税ですね。企業が経済活動をするためには、さまざまな公的インフラを使用しています。これらは当然、税金によって賄われています。

中小企業には赤字企業が多いのですが、赤字であれば法人事業税は発生しません。インフラを使用していても、税を負担しなくてよいのです。

その負担を求めるのが、事業規模に応じて課税する外形標準課税です。法人減税の代替財源として導入することについては疑問も残りますが、赤字企業にも課税すること自体は、理論的に正しいと思います」

なるほど、そもそも中小企業に限らず、赤字企業にも負担を求めることには正当性があるようだ。では、今回の改革でマイナスといえるのは、どういった点だろうか。

●「中小企業は景気の変動を受けやすい」

「『軽減税率の見直し』と『繰越欠損金の損金算入枠の縮小』です。いずれも、経営基盤の弱い中小企業に必要とされてきたものです」

軽減税率の見直しとはどういったことなのだろうか。

「法人税の基本税率は25.5%ですが、中小企業には様々な形の税負担の軽減措置があり、15%まで引き下げられています。

しかし、中小企業は経営基盤が弱いため、大企業に比べ景気変動の影響を受けやすいのです。今年景気がよかったとしても翌年景気が悪くなったら、瞬く間に赤字になってしまいます。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング