フェイスブックが実施したユーザー70万人の「心理実験」 日本でやったら違法か?

弁護士ドットコムニュース / 2014年7月16日 14時58分

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SNS大手のフェイスブックが約70万人のユーザーを対象に、大規模な心理実験を行っていたことが発覚し、COOのシェリル・サンドバーグ氏が謝罪する事態に発展した。

同社によると、問題となった実験は2012年に行われた。フェイスブックの画面(ニュースフィード)に表示される記事を意図的に操作して、それがユーザーの行動にどのような影響を与えるかを調査した。実験対象のユーザーに許諾は得ていなかったという。

もし、日本で同様のことが行われたら、「実験は違法だ!」と言えるのだろうか。また、ユーザーは運営会社を訴えることができるのだろうか。個人情報問題にくわしい石井邦尚弁護士に聞いた。

●「ユーザーの同意」はあったのか?

そもそもこの実験は、どこが問題なのだろうか。

「二つの観点から検討できると思います。一つは、(1)実験データの収集や取扱いが個人情報保護法に違反するのではないかという点。もう一つは(2)実験の手法が、民法上の『不法行為』に該当するのではないかという点です」

このように石井弁護士は説明する。まず、個人情報保護法の観点でみると、どうだろうか。

「前提を確認すると、事前に利用者が同意を与えていたと法的に評価できる場合、そもそも今回の件は問題になりません」

フェイスブックの規約には、「Facebookが受け取る情報の用途」として、「・・・データ分析、テスト、調査、サービスの向上等の内部運用」と書いてある。ユーザーがこの規約に同意していたら、今回の実験についても「同意があった」とみなされるのだろうか?

「規約の文言に、今回の実験についてまで含まれていると評価できるかは疑問が残ります。実験の内容からして、規約の抽象的な文言ではなく、より具体的な内容への同意が必要ではないかと私は考えています。

仮に、フェイスブックの規約の文言に、今回の実験への同意が含まれると評価できるとしましょう。その場合でも、利用者の感情に影響を与えるような実験も含めて広く同意をするという条項は、『消費者の利益を一方的に害する』条項と評価される可能性が高いと思われます。そうした条項は無効とされますから(消費者契約法10条)、やはり同意を得ていないということになります」

●「個人情報」にあたるのか?

ところで、今回集められたような情報は、「個人情報」になるのだろうか?

「個人情報保護法で保護される『個人情報』といえるには、特定の個人を識別できることが必要です。問題の実験は、ニュースフィード上の表示内容が個人の感情に与える影響を調査したということですから、少なとも情報を収集する段階では、それが『個人情報』に該当することはまず間違いないと思われます。

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