DNA鑑定でも「法律上の父子関係」は取り消せないーー弁護士提案の「3つの解決策」

弁護士ドットコムニュース / 2014年7月18日 12時51分

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科学的証明では、法的に認められた父子関係を取り消せない――。DNA鑑定で血縁関係がないことが証明された場合、父子関係が取り消されるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は7月17日、「科学的に明らかであっても、子どもの身分を法的に安定させる必要性はなくならない」として、父子関係を取り消せないとの初判断を示した。

報道によると、今回は、北海道、関西、四国の3件の訴訟について、判断を下した。北海道、関西の訴訟については、母親が子どもの代理人として、DNA鑑定をもとに父子関係の取り消しを求めたが、認められなかった。四国の訴訟については、DNA鑑定で子どもと血縁関係がないことが判明した父親が、父子関係の取り消しを求めたが、認められなかった。

DNA鑑定の活用が今後さらに進む可能性がある中、今回の判決をどうみればいいのだろうか。また、制度を改める余地はないのだろうか。家族関係の法律にくわしい田村勇人弁護士に聞いた。

●今回の判決は「親子関係の安定」を重視

「今までの最高裁判例の流れを踏襲した判決です」

田村弁護士は今回の判決をこう評価する。具体的にはどういうことだろうか。

「これまで最高裁は、民法772条に基づいて、遠隔地での別居など、夫婦間の肉体関係が全く存在しない客観的事情がない限り、婚姻中に生まれた子どもは『妻と婚姻関係にある男性の子』であると推定しています。

そして、その男性が子どもの出生を知ってから1年が経過した後には、たとえDNA鑑定で血縁上の父親でないと証明されても、法的に推定される親子関係を否定できないと判断してきたのです。

つまり、婚姻関係にある男女(正確には結婚してから200日経過後、離婚してから300日以内)の間に産まれた子どもの『法律上の父親』とは、『血縁上の父親』ではなく、『出産した女性の夫』としてきたのです。

もし疑問があるのであれば、『法律上の父親』は、1年以内に申し出ないと父子関係を否定できません(民法777条)」

今回の裁判では、この例外にあたるかどうかが争われたが、結局、最高裁は従来の考え方を踏襲したというわけだ。

「今回の判決自体は、従来通り『親子関係の安定性』を重視した判断となっています。

つまり、生後1年が経過するまで親子関係が疑われるような問題が生じなかった以上、その後『血縁上の親子関係』が否定されたとしても、それまで安定していた親子関係は否定できないということです」

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