ヒゲを生やした人に課税する「ヒゲ税」・・・歴史上のユニーク税はなぜ導入された?
弁護士ドットコムニュース / 2014年9月5日 14時0分

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世界にはさまざまな種類の税金があるが、歴史をひもといてみると、「こんな税があったのか」と驚くようなユニークな税金が存在していたことがわかる。たとえば、ロシアには1700年ごろ、ヒゲを生やしている貴族や商人から税金を徴収する「ヒゲ税」があった。
また、フランスには「空気税」なる不思議な税の導入議論もあった。ルイ15世時代に、戦費や王室の浪費で苦境にある財政を立て直すため、財務長官シルエットが「空気」にまで課税しようとしたようだ。結局は国民の猛反発を受け、辞任に追い込まれた。
こういった歴史上のユニークな税金は、さまざまな税金の中でどう位置づければいいのだろうか。河原大輔税理士に聞いた。
●特定の「政策目的」のために課税することも「税金は『担税力』に応じて、公平とならなければなりません。『担税力』とは、経済的に負担できる能力のことです。所得・財産・消費のいずれかを判断基準にして、おおむね公平に課税するようになっています。
ただ、公平性を欠くとしても、政策目的の実現のために税金の負担を軽くしたり、重くしたりすることがあります」
負担を軽くするとは、どういうことだろうか。
「たとえば、2014年から始まった少額投資非課税制度(NISA)です。これは『貯蓄から投資へ』という政府の政策目的を実現させるための税の軽減措置です」
何らかの政策目的があるというのが、カギになるようだ。
「一方で負担を重くして、国民の行動を抑制することもあります。
たとえば、大阪府泉佐野市では 『犬税』の導入が真剣に議論されていました。結局、導入を断念しましたが、飼い犬の放置フン対策のために新たに課税するものでした」
●国民の身だしなみを整えるよう、税金で「誘導」では、歴史上の税金をどう位置づければいいのだろうか。
「歴史上の税金の中にも、負担を重くすることで、国民の行動を誘導したり、特定の政策を実現したりしようとするものが見受けられます」
どう働きかけようとしたのだろうか
「たとえば、ロシアの『ヒゲ税』は、1600年代の末にヨーロッパ視察でヒゲが流行らなくなったことを知ったピョートル1世が『ヒゲは品がない』と考えて導入したものです。国民の身だしなみを整えるよう、税金によって誘導しました。
比較的最近ですと、ハンガリーのポテトチップス税やデンマークの脂肪税など、肥満につながりやすい食品に課税して、国民を健康に導こうとしたものもあります。
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