アイドルが握手会でやる気なしの「塩対応」 ファンはCD代の返金を要求できるか

弁護士ドットコムニュース / 2013年4月10日 20時54分

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AKB48を始め、多くのアイドルグループが各地で行なっている握手会。ファンにとっては憧れのアイドルと触れ合うことができる貴重な機会だが、参加するにはCDに付属する握手券が必要だったり、発売予定CDを前金で予約したりする必要がある。

そのため、もうすでにCDを持っているのに、握手のために同じCDを何枚も買うファンも多い。だが、握手会ではサービス精神旺盛な「神対応」をするアイドルがいる一方で、ファンに対して「笑顔なし」「目を合わせない」「会話もやる気なし」といったしょっぱい対応、通称「塩対応」をとるアイドルもいるという。

このような「塩対応」をとられたファンは、「せっかくCDを買ったのに、価格分のサービスを提供してもらっていない」と主張して、アイドルの運営側やCD店舗に対して、CD代の返金を要求することができるのだろうか。秋山亘弁護士に聞いた。

●「塩対応されたら、残念と思って諦めるしかない」

「アイドルと握手をするというのが、CDに付属する握手券に示されたサービスの内容となります。それ以上の対応については握手券には、表示されていません。

アイドルといっても、その個性は様々です。『アイドル=握手会での丁寧な対応』というのが、握手券において当然に備えていなければならないサービスの内容とは言い難いでしょう」

このように説明したうえで、秋山弁護士はさらに、「『神対応』をしてくれるアイドルもいれば、『塩対応』をとるアイドルもいる、いろいろなアイドルがいるのが実情です」と付け加える。

「『塩対応』をされた場合には、そんなアイドルを応援してしまったことを残念と思って諦めるしかないと思います。アイドルの握手券とは、良くも悪くも、アイドルと肌で触れ合うことで、その『実像』を知るための権利とも言えるでしょう。したがって、法的な見地からすれば、CD代金の返金を要求することは難しいと考えられます」

●「高速握手会」も契約不履行とはいいがたい

つまり、「塩対応」されてしまったファンは、CD代の返金を要求することは難しいということだ。一方で、憧れのアイドルの別の側面、すなわち「実像」を見ることができた、と思えばいいのかも知れない。

なお、握手会イベントでは、アイドル自身にやる気があっても、丁寧な対応になるとは限らない。握手して数秒、会話を交わす間もなく、スタッフの手によって、引き剥がされてしまうこともある。ファンからは「高速握手会」などと揶揄されているが、これに関しても、秋山弁護士は「アイドルと握手をするという契約の目的は一応達成されているので、『高速握手会』についても契約不履行責任を問うことは難しいと思われます」とコメントしている。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
秋山 亘(あきやま・とおる)弁護士
民事事件全般(企業法務、不動産事件、労働問題、各種損害賠償請求事件等)及び刑事事件を中心に業務を行っている。日弁連人権擁護委員会第5部会(精神的自由)委員、日弁連報道と人権に関する調査・研究特別部会員。
事務所名:佐久間・秋山法律事務所
事務所URL:http://s-a-law.com/

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