TPP参加で「コミケ」終了? 「二次創作」が罪に問われる可能性

弁護士ドットコムニュース / 2013年4月12日 18時51分

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安倍晋三首相が今年3月に正式参加を表明したTPP交渉。これまで注目を集めてきた農業や保険・医療などの分野のほか、著作権など知的財産の分野も争点になると言われている。そのような中、ネット上などでは「TPP参加で、コミックマーケット(コミケ)が終了するのでは?」という議論もあるようだ。

その理由は、アメリカはTPPで「著作権法の非親告罪化」(著作権者の告訴がなくとも検察が起訴できる)を提案しているという情報があるからだという。今のところ交渉内容はオープンになっていないが、交渉のリストに入っていることは確実とされる。もし非親告罪化が実現すれば 、二次創作文化の一つである同人誌にも大きな影響があるかもしれない。

では、日本がTPPに参加して、「著作権の非親告罪化」が正式に認められた場合、同人誌の販売が犯罪に問われることはあるのだろうか。著作権問題に詳しい福井健策弁護士に話を聞いた。

●「オリジナルの作家とコミケは、ある種の『あ・うんの呼吸』で共存してきた」

「現在コミケは夏冬とも50万人規模の入場者と3万5千サークルもの参加サークル数があり、世界でも例がないユーザー発コンテンツの祭典です。主催者側の調査では、そのうち75%前後が多かれ少なかれ既存のコンテンツのパロディ的な作品だと言われます。」

こうした二次創作は、相当数が現行法では既存作品の無断『翻案』となり、仮に裁判となれば著作権侵害とされそうです」

つまり、現行の著作権法においてさえも、コミケに並ぶ二次創作物の多くは、著作者が持っている著作権の一つ「翻案権」を侵害している可能性があるというのだ。では、なぜコミケは堂々と開催されているのだろうか。

「これまでのところは、刑事摘発や紛争に至ったケースはありますが、必ずしも多くはありません。というのは、オリジナルの作家や出版界側には、『あれは原作のファン活動の延長だ』という意識があるからです。ある程度シーンを盛り上げる側面もあると思っている。

加えて、コミケから人気作家が生まれたり、現役の作家がコミケに参加するケースも増えてきた。ですから、黙認という程ではないのですが、いわば『放置』してきた。無論、行き過ぎがあれば怒る。つまり、プロ側とコミケ側は、ある種の『あ・うんの呼吸』で共存してきたとも言えそうなのです」

●検察の判断で起訴・処罰できるとなれば、現場では萎縮が進む可能性も

今のところ日本では、著作権侵害があった場合、著作者の告訴があって初めて検察が起訴することができる「親告罪」とされている。では、仮に、TPPに参加して、著作権が非親告罪化されることになると、同人誌を販売すると摘発されるということを意味するのだろうか。

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