「遠隔操作事件の真犯人」のメール閲覧した記者 「不正アクセス禁止法」に触れる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年4月22日 17時28分

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パソコン遠隔操作事件を取材していた共同通信の記者が、「真犯人」を名乗る人物の利用していたメールサーバーにアクセスして、メールの記録などを閲覧していたことが発覚し、波紋を呼んでいる。

報道によると、共同通信の社会部の複数の記者は、昨年10月から11月にかけて、真犯人を名乗る人物が報道機関などへ犯行声明を送る際に利用したメールサーバーに対して、推測したパスワードを使い数回にわたってアクセス。記者らは、メールの送受信履歴などを閲覧したという。

共同通信は、「真犯人に近づく目的だったが、取材上、行き過ぎがあった」とコメントしているが、このような行為は、「不正アクセス禁止法」に触れる可能性があるという。では、どういう条件がそろうと、「不正アクセス禁止法」違反となるのだろうか。西田広一弁護士に聞いた。

●「不正アクセス」とは、どんな行為なのか?

まず、そもそも、法律で禁止された「不正アクセス」とは、どのような行為をさすのだろうか。西田弁護士は次のように説明する。

「不正アクセス禁止法における『不正アクセス行為』とは、『アクセス制御機能による特定電子計算機の特定利用を免れて、その制限されている特定利用をできる状態にさせる行為』のことです」

法律上の表現なので難しい言葉となっているが、わかりやすくいうと、アクセス制限がされたコンピュータの制限をかいくぐってアクセスできるようにすること、といえる。このような不正アクセス行為には、次のようなものがあるという。

「1つ目は、『なりすまし』です。インターネットを通じて一定のサービスを受ける場合に、他人の識別符号を入力することでアクセス制限機能による利用制限を免れて、当該サービスを利用できる状態にすること、です(不正アクセス禁止法2条4項1号)。

2つ目は、『セキュリティ・ホール攻撃』です。これは、インターネット回線を通じて、アクセス制限機能を有するセキュリティ・ホールに対し、特殊なデータ入力によって、その制御機能を回避してシステムに侵入する行為、をさします(同項2号・3号)」

また、不正アクセスを助長する行為も禁じられている。西田弁護士は次のように付け加える。

「不正アクセス禁止法では、『業務その他正当な理由がないのに、他人のID・パスワードを、正当な利用権者以外の者に提供する行為』を禁じています(第5条)」

●共同通信記者の行為は「なりすまし行為」にあたる

では、今回の共同通信の記者のケースは「不正アクセス行為」にあたるのだろうか。

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