出張で人気の「クオカードつき宿泊プラン」 会社に黙ってカードをもらっても大丈夫?

弁護士ドットコムニュース / 2014年9月20日 12時17分

写真

関連画像

宿泊予約サイトで人気の「クオカードつき出張プラン」をご存じだろうか。ホテルに宿泊すると、特典としてコンビニなどで使えるクオカード数千円分がついてくるというプランだ。

東京都内のサラリーマンYさんも、このプランをよく利用する。たとえば、ある出張では、3000円のクオカードがついている総額8000円のプランを利用したという。

Yさんによると、このプランで宿泊した場合、「宿泊代8000円」と書いた領収書をもらえる。Yさんの会社の宿泊費は実費精算なので、会社に提出すれば、Yさんの手元には自由に使えるクオカードが残り、3000円分のトクになるというわけだ。

宿泊予約サイトには、Yさんのようなケースを想定してか、「領収書に『QUOカード』は印字されません」と書いてあるものまである。しかし、出張費自体は会社の経費だ。会社に黙ってクオカードを自分のものにしても、問題はないのだろうか。鈴木謙吾弁護士に聞いた。

●クオカードは法的には「会社の財産」

「宿泊費は、Yさん個人ではなく、会社の出張業務の一環として支払われています。この点にご注意ください」

鈴木弁護士はこう切り出した。

「経費精算は主に2種類あります。一つは、泊まったホテルにかかわらず『宿泊費は一律1万円を支給する』と決まっているような『概算請求』。もう一つは、かかった実費を会社が支払う『実費請求』です。

精算方法について定めた社内規則を見てもらうといいでしょう。この『概算』か『実費』かによって、クオカード取得が問題になるかどうか、判断は変わってきます」

Yさんの会社では、実費精算が求められていた。

「概算経費であれば、定められた額を支給するものなので、特に問題は発生しません。しかし、実費精算となれば、事情は変わります。法的には、クオカードは会社に帰属する財産と考えるべきです」

●「詐欺・横領」となる可能性もある

クオカードは宿泊した個人への特典で、「会社は関係ない」という理屈は通らないのだろうか。

「あくまでYさんは、会社の経費を立て替え払いしたに過ぎません。つまり、クオカードを処分できる立場にないと考えられます。

極端なことを言えば、Yさんは会社からの懲戒対象になるでしょう。また、民事上の損害賠償に加えて、横領や詐欺という刑事罰を受ける可能性も否定できません」

横領や詐欺とは・・・。「小遣い程度」と思っていたら、事態は思ったよりも深刻な方向へ進みそうだ。

「はい。会社にクオカードのことを告げずに使用することはお勧めできません」

経費精算の際に社員がクオカードのことを説明しなければいけない場合、会社側も対応を決めておく必要があるのではないだろうか。

「そうですね。会社側も社内規則の整備を含め、クオカードの取り扱いについて十分に検討すべきでしょう。現実的に考えれば、500円といった少額のクオカードの場合には、会社の福利厚生の一環として、従業員の出張に報いる考え方もあり得るでしょう」

アベノミクスで好況とは言うものの、サラリーマンの懐にはまだまだ温もりが足りない。会社に黙ってコソコソと節約するのも、悲しいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
鈴木 謙吾(すずき・けんご)弁護士
慶應義塾大学法科大学院・非常勤教員。東京弁護士会所属。
事務所名:鈴木謙吾法律事務所
事務所URL:http://www.kengosuzuki.com

日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング