済美野球部「1年間の対外試合禁止」 いじめ被害者も試合できないのは不当ではないか

弁護士ドットコムニュース / 2014年9月19日 16時15分

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野球部員が下級生にカメムシを食べさせるなど、悪質な部内いじめが発覚した済美高校(愛媛県松山市)に対して、日本学生野球協会は9月上旬、「1年間の対外試合禁止」という重い処分を下した。この機会に、いじめを行った部員や見過ごした監督らは、二度とこのようなことが起きないよう、十分に反省するべきだろう。

しかし、よくよく考えると、この処分によって、「いじめの被害にあった部員」も試合ができないことになる。いわば、いじめ加害者の責任を、いじめ被害者自身も連帯して取らされる形だ。これは、おかしくないだろうか。

高校野球部員として活動できるのは、実質的には2年半ほどに過ぎない。個人的に何も悪いことをしていない部員まで、1年もの間、対外試合を禁じられるという処分は、法的に見てどうなのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。

●「日本学生野球憲章」に基づく処分

「今回の対外試合禁止処分は、済美の野球部員が日本学生野球憲章に違反したことを理由に、日本学生野球協会が、その部員の所属する『野球部』に対してくだしたものです。

決定は憲章に基づいて、日本学生野球協会の審査室という組織が行っています。

済美高校は、処分に不服なら、協会に不服申立てができます。さらに、不服申立ての結果にも納得できないなら、日本スポーツ仲裁機構に対して仲裁の申立てができるとされています」

今回の「処分の性質」について、秋山弁護士はこのように説明する。被害者にまで悪影響が及ぶような処分は許されるのだろうか?

「今回は、所属部員に対する指導が行き届いていない、教育環境が整っていないなど、『野球部の責任』が問われているケースでしょうから、こうした『野球部』に対する処分は許されると思います。結果的に問題行為をしていない部員にも不利益が及ぶのは、処分の間接的な効果であり、やむを得ないでしょう」

そうだとしても、処分が重すぎないだろうか。

「違反行為に対してあまりに処分が重すぎるような場合には、処分の取消しや変更もあり得ます。ただ、どの程度の処分をくだすかについては、基本的に協会の『裁量』が広いと解釈されるでしょう。

また報道によると、今回のケースは、2年生が1年生の口にカメムシを入れたり、灯油を飲ませようとしたという事例です。さらには暴力が恒常的で、被害部員が19人にのぼるといい、かなり重大な事案であろうと思われます」

●いじめ被害者や無関係な部員は救済すべき

だが、被害にあった部員からすれば、一方的に暴行などを受けたあげく試合もできなくなるという、踏んだり蹴ったりの状況ではないだろうか。

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