「イスラム国」の戦闘員になりたかった!? 北大生の容疑「私戦予備・陰謀罪」とは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月8日 10時57分

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イスラム過激派組織「イスラム国」に参加するためにシリアに渡航しようとしたとして、北海道大学の学生(26)ら複数の日本人が「私戦予備・陰謀罪」の容疑で、警視庁公安部から家宅捜索や任意の事情聴取を受けていたことが10月6日に報じられた。

報道によると、学生は、シリアで「イスラム国」の戦闘員として働くつもりで、10月7日に日本から出国する予定を立てていたという。関係者から情報提供があり、警視庁公安部が内偵捜査をしていたそうだ。

このニュースについて、ツイッター上では「刑法ゼミだけど勉強したことない」「こんなのあるのか」など、「私戦予備という罪がどんな罪なのか知らない」という声が多くつぶやかれていた。刑法の「私戦予備罪」とは、いったいどんな犯罪なのだろうか。刑事事件にくわしい田沢剛弁護士に聞いた。

●私戦とは「外国への私的な戦闘行為」のこと

「私戦予備・陰謀罪(刑法93条)は、外国に対する私的な戦闘を、(1)計画・準備する行為(予備罪)や、(2)二人以上で合意して計画する行為(陰謀罪)を、処罰する犯罪です。

ここでの『私的な戦闘』とは、国の命令によらずに勝手に戦闘をすることです。そして、『戦闘』とは、武力によって組織的な攻撃をしたり、防御したりすることです」

つまり、国の命令によらずに、戦闘の準備をしたり、戦闘計画を立てたら処罰されるということだ。では、実際に「私戦」を行ったらどうなるのだろうか?

「一般人が外国と戦争をするなんて現実的にはあり得ないと考えられたため、私戦を実際に行ったケースを罰する規定はありません。

万が一、私戦が実行された場合には、騒乱罪、殺人罪、放火罪、強盗罪その他の規定を適用して処罰するしかないようです」

●外国と戦闘行為を行うことは、国交の破壊につながる

そもそも、こうした行為をなぜ取り締まる必要があるのだろう。ネット上では「海外のことなんだから、勝手にやらせておけ」といった意見も見かけたが・・・。

「国民が勝手に外国に対して戦闘をしかけたら、その国と日本との国交を破壊することにもなりかねません。そうすれば、平和主義を掲げた憲法9条の精神に反することにもなります。そのため、処罰の対象とされているのです」

これまで実際に処罰された例はあるのだろうか。

「細かく調べたわけではないので何とも言えませんが、私は、聞いたことがありません」

私戦予備・陰謀罪違反の刑罰は、「3月以上5年以下の禁錮」となっている。普通の犯罪だとある「懲役」がなくて、「禁錮のみ」なのは、どうしてなのだろうか。

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