「メディアがメディアを阻害している」国会記者会館・取材拒否訴訟、10月14日判決

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月12日 11時1分

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なぜネットメディアは国会記者会館を使えないのか——。東京・永田町の首相官邸前に建つ国会記者会館は、新聞やテレビの記者たちが国会や政府の取材の拠点として利用している4階建てのビルだ。その建物の「利用権」をめぐって「メディア対メディア」の訴訟が起きている。

安倍内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した7月1日、弁護士ドットコムニュースは、首相官邸前のデモを撮影するため、この国会記者会館の屋上にのぼろうとしたが、会館を管理する「国会記者会」に断られた。そのときの模様を報じた記事は、ネットユーザーやメディア関係者の間で大きな反響を呼んだ。(なぜネットメディアは国会記者会館を使えないのか?~国会記者会事務局長に聞く(上)、(下))。

だが、国会記者会館の利用をめぐるトラブルは、これが初めてではない。2年前の2012年9月、デモの撮影をしようと屋上の使用を申請したが断られたインターネットメディア「OurPlanet-TV」が、国会記者会と国を相手取って、220万円の損害賠償を求める裁判を起こしたのだ。「報道の自由」がテーマとなった裁判は今年6月30日に結審し、10月14日、いよいよ判決が言い渡される。

旧来のマスメディアと新興のネットメディアの対立構図となったこの訴訟をどうとらえればいいのか。OurPlanet-TVの白石草(はじめ)代表と、原告代理人の井桁大介弁護士に聞いた。

●「反原発デモの様子を俯瞰したかった」

なぜ屋上にのぼろうとしたのか。白石さんは次のように語る。

「私たちは、アメリカ同時多発テロ事件後の2001年10月から活動をしていて、以前からデモの取材を重視してきました。デモは、人々が声を上げるプリミティブ(原始的)なものです。デモウォッチャーとして、難民問題やG8サミット反対など、さまざまなデモを10年以上取材してきました。その中でも、2012年に起きた官邸前の『反原発デモ』はこれまでにないもので、想像以上の広がりを見せました。その光景を俯瞰して、撮影したかったのです」

首相官邸に向かい合って建つ国会記者会館の屋上は、官邸前の道路を見下ろすことができるため、デモを撮影するには絶好の場所だった。実際、国会記者会の会員である新聞やテレビのカメラマンは屋上から撮影を行っている。

しかし、デモが大きな盛り上がりを見せていた2012年7月6日、白石さんたちが会館の屋上で撮影しようとしたところ、国会記者会に加盟していないことを理由に、事務局に拒否されてしまった。そこで、知人の弁護士たちの後押しを得て、司法に訴えた。国と記者会に「屋上の使用許可」を命じることを求めて、東京地裁に仮処分申請を行ったのだ。

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