軽自動車もターゲットになるのか――「燃費課税」を推進する総務省の「思惑」とは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月21日 19時32分

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総務省が新たに導入を検討している自動車の「燃費課税」をめぐり、議論が起きている。普通車に導入されることが既に決まっており、軽自動車にも導入するかどうかが検討課題だ。

軽自動車については、昨年末に、軽自動車税が年間7200円から1万800円に増税されることが決まったばかりということもあり、業界団体が猛反発している。

どんな「思惑」で「燃費課税」は導入されることになったのだろうか。そもそも、どんな仕組みなのだろうか。久乗哲税理士に聞いた。

●燃費性能に応じて購入額の0%~3%を課税

久乗税理士が「燃費課税」の仕組みを解説する。

「総務省の検討案によると、自動車の購入時に、燃費性能に応じて、車体購入額の0%から3%を課税する仕組みです。

燃費が良い車なら非課税になり、悪ければ最大3%課税されます。燃費の悪い自動車の車体購入額が100万円の場合、消費税とは別に最大3万円の税金がかかる計算です」

どのような目的で導入されるのか。

「エコカーの普及を促進することを目的とした課税で、燃費が悪い車は環境に悪いから課税するということでしょう。地方税として、その車の登録地の税収となる見込みです。

しかし、燃費課税が環境を悪化させることへの課税であるのであれば、本来は国税として国がその使途を環境保全に限定して予算化するべきです」

●廃止される自動車取得税の「穴埋め」として導入

地方税となった背景には何があるのか。

「消費税率が10%になる段階で、消費者の税負担を考慮して、自動車取得税が廃止されます。自動車取得税は地方税です。廃止により年間で約1000億円の減収となるため、総務省は普通車と軽自動車の『燃費課税』でこれを穴埋めしたいのでしょう。

すなわち『燃費課税』は、単に廃止される自動車取得税が形を変えただけと言えます」

たしかに、「穴埋め」と言われても仕方ないような動きだ。

「自動車取得税はかつて、ある目的にしか使えない『目的税』でした。自動車を取得すれば地域の道路を使うため、道路の保全などを目的とする財源でした。

ところが2009年に自動車取得税は目的税から一般税に変更されました。すなわち道路の保全などの目的以外にも使えることになったのです。この時点で、自動車取得税は課税根拠を失っていたと考えられます。

この一般税化も、消費税率10%に合わせて、自動車取得税が廃止される要因となりました。その代替財源として、『燃費課税』が導入されているのです。

ある税がある目的で廃止されるということは、その役割を終えたということになります。この場合、まずは、その分の予算を減らすことを考えるべきではないでしょうか」

久乗税理士は安易な「穴埋め」に警鐘を鳴らしている。

【取材協力税理士】

久乗 哲 (くのり・さとし)税理士

税理士法人りたっくす代表社員。税理士。立命館大学院政策科学研究科非常勤講師、立命館大学院経済学研究科客員教授、神戸大学経営学部非常勤講師、立命館大学法学部非常勤講師、大阪経済大学経済学部非常勤講師を経て、立命館大学映像学部非常勤講師。第25回日税研究賞入選。主な著書に『新版検証納税者勝訴の判決』(共著)等がある。

事務所名 :税理士法人りたっくす

事務所URL:http://rita-x.tkcnf.com/pc/

(税理士ドットコムトピックス)

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