「全部自分でスキャンしろってこと?」 自炊代行「敗訴判決」に利用者から怒りの声

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月24日 19時14分

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本や雑誌をスキャナーで読み取って、電子データ化する「自炊」――。その作業を請け負う「自炊代行業者」に著作権を侵害されたとして、作家や漫画家たちが業者を訴えた裁判の控訴審判決が10月22日、知的財産高等裁判所であった。知財高裁は業者の著作権侵害を認め、業者に損害賠償とスキャン業務の差し止めを命じる判決をくだした。

この訴訟の大きな争点の一つは、自炊代行が、著作権法で許容されている「私的複製」にあたるかどうかだった。この論点について、代行業者たちは、「依頼者の私的複製を補助しているだけ」と主張した。しかし、知財高裁は、「複製の主体」は業者だとして、私的複製にはあたらないとした一審判決を支持し、業者の控訴を棄却する判決をくだした。

一方、ネット利用者の立場から意見を発信している団体「一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)」は、この裁判について、「自炊代行業を認めるべきだ」という意見書を裁判所に提出していた。今回の判決についてどうみるだろうか。裁判を傍聴したMIAU事務局長の香月啓佑さんに話を聞いた。

●「1000冊、ぜんぶ自分でスキャンしますか?」

――今回の裁判の感想を教えてください。

「一般の人に関心を持たれていなかったし、裁判の経過が記事になることも少なかった・・・そこはくやしいと思っています。

原理原則として、自分が買ったものを電子データ化することは、何も悪くない。しかし、権利者サイドとしては、自分が作った著作物で、勝手に商売されたら困ると、ある種の『縄張り』を守ったということでしょうね。今回の判決は、本好きを敵に回していると思います」

――この裁判に関心を持った理由は?

「MIAUとしては、『本を買った人の権利』の話として考えています。自炊代行業者がいないと読者が困るだろうと思ったのです。

たとえば、自分の家に1000冊の本を持っている人が、それを全部スマートフォンや電子書籍端末で読もうと考えたとき、ぜんぶ自分でスキャンして電子書籍にできますか? そういう話です」

――電子書籍で購入すればいいのでは?

「電子書籍は、これから出版される新しい本のためだけにあるわけではありません。すでに紙で購入した本も電子書籍として便利に楽しみたいですよね。なぜ、すでに持っている本を電子書籍で楽しむためだけに、本をまた買いなおさなくてはならないのでしょうか。読者は今持っている本を電子書籍端末やスマートフォンで読みたいだけなのです。

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