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「全部自分でスキャンしろってこと?」 自炊代行「敗訴判決」に利用者から怒りの声

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月24日 19時14分

「この訴訟について、よく勘違いされやすいのですが、たとえ浅田次郎さんの本であっても、自分で裁断し、スキャンするぶんには問題ありません。今回は、自炊を『代行』することが著作権を侵害するかどうかが争われました。『誰が自炊の主体なのか?』という問題ですね。

僕が自炊代行業者に対して、『この本をデジタルデータにしてください』というときに、その行為主体は誰か? 僕は、『主体=僕』だと思う。物理的に見ると、たしかに自炊業者がスキャンボタンを押している。しかし、それは僕が依頼したことで、業者の意思でスキャンをしたわけではない。

私的に複製するのは問題ないけれど、持ち主がやらないといけない。その原理を厳密にあてはめると、たとえば議員が秘書に『この新聞記事をスクラップしてコピー取っておいてくれる?』と指示した場合はどうなのか、という話になります」

――今回の判決についてどう考えますか?

「控訴人が上告をするかどうかはまだ不明ですが、もしこれで判決が確定するとすれば、今の著作権法は現状に即していないわけですから、日本でも米国型のフェアユース規定を導入するなど、自炊代行を合法化するような形での法改正が行われるべきです。

これまでも『誰がコピーをしたのか』ということが裁判で争われてきました。たとえば、カラオケの機械があるスナックで、そのカラオケの機械を使ってお客さんが歌った場合、著作権侵害を問われる可能性があるのは、そのお客さんではなくスナックのオーナーとみなす考え方があります。

この考え方は『カラオケ法理』と呼ばれていて、最近ではカラオケ以外のいろいろな場面でも応用されています。しかし、この考え方をどんな場面にでも応用するのは、そろそろやめるべきでしょう。

文化庁の審議会では、ドロップボックスのようなファイル保管のクラウドサービスについての議論が行われていますが、そこにもつながる話です。

たとえば、ドロップボックスに自分で買ったCDの音声データをアップロードすると、『ファイルをアップロードしたのは、ドロップボックス』ということになるのでしょうか。それだとおかしいですよね。実際、この点は審議会でも激しく議論されました。自炊代行裁判は、日本の将来のITサービスや家電の発展を考えるうえで、根深い問題につながっているんですよ」

(弁護士ドットコムニュース)

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