人間ピラミッド崩壊で「1億円賠償」判決もーー弁護士が指摘する「組体操」のリスク

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月2日 14時27分

写真

関連画像

「人間ピラミッド」に代表される組体操。その華々しさの裏にある、ケガのリスクに注目が集まっている。日本スポーツ振興センターが公表した資料『学校の管理下の災害』によると、小学校の組体操の事故は、2012年度に約6500件も発生していたという。

この資料を分析した名古屋大学の内田良准教授は「Yahoo! ニュース個人」の記事やツイッターで、組体操の事故の多さを指摘。人間ピラミッドの巨大化・高層化が進んでおり、中には10段以上の人間ピラミッドに挑戦するケースもあるとして、「それほどのリスクを冒してまで巨大化・高度化を目指す必要があるのか」と批判している。

このように、リスクが指摘されている組体操だが、学校教育に取り入れることに、問題はないのだろうか。また、事故が発生した場合、どんな法的責任が生じる可能性があるのか。教育問題にくわしい多田猛弁護士に聞いた。

●「スポーツをさせない」だと、成長の機会が奪われる

「一般論として、学校の授業や行事において、教職員の不注意や不適切な指導で、児童・生徒がケガをした場合、損害賠償責任が発生します。

これは、運動会の本番に生じる場合でも、授業における練習中に生じる場合でも同様です。

責任は、公立なら原則として国や自治体が、私立なら学校や指導教員が負います」

ケガをするリスクがあるような種目は、すべて取りやめるというわけにはいかないだろうか。

「『ケガをするからスポーツをさせない』という考え方では、逆に子どもたちの成長の機会を奪うことにもつながります。

なるべくケガをしないように安全にスポーツすることや、万一ケガをしても、その結果を最小限にとどめることなどを教えるのも教育です。ですから、教職員の役割は、なるべく子どもたちが安全にスポーツをするよう、指導することです。

その指導が適切ではなく、事故の発生を防止するために十分な措置を講じていなければ、賠償責任を負うことになります」

●8段の人間ピラミッドで「1億円」の賠償

「人間ピラミッド」を指導する側は、いったい何をすれば「十分」なのだろうか?

「組体操について、一つ注目すべき裁判例があります。平成5年(1993年)5月11日に福岡地方裁判所で出た判決ですが、こんな事例でした。

ある高校の体育大会の種目として、8段の『人間ピラミッド』が採用されました。授業中にその練習をしていたとき、ピラミッドが崩壊してしまい、最下段の生徒が脊髄骨折等の障害を負うという事故が起きました。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング