電話の「通話内容」が逮捕の決め手――警察の「通信傍受」はどんな場合に許されるの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月1日 13時56分

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福岡県北九州市に本部を置く特定危険指定暴力団「工藤会」の最高幹部ら15人が10月、組織的殺人未遂の容疑で、福岡県警に逮捕された。報道によると、2013年1月に福岡市博多区の路上で、看護師の女性が刃物を持った男性に襲われた事件に関与した疑いがもたれている。

報道によると、逮捕の決め手は「通信傍受」だった。当初、事件は通り魔的犯行と考えられていた。ところが、女性の勤務先のクリニックで、治療をめぐって工藤会幹部と女性がトラブルになっていたことが判明。警察は組関係者の携帯電話を傍受することで、組織的関与を明らかにできたというのだ。

人の目の届かないところで、ひそかに行われる犯罪に対して、こうした捜査手法は、たしかに有効だろう。だが、裏を返せば、警察は「怪しい」と考えたら、誰でも自由に通信を傍受できるのだろうか。警察の捜査にくわしい澤井康生弁護士に聞いた。

●通信傍受の要件は、厳格に定められている

「通信傍受は、平成11年(1999年)に制定された『通信傍受法』に基づいて行われます。警察は『怪しい』と考えたら、誰の通信を傍受してもよいというわけではありません。通信傍受を行うためには、非常に厳格な要件が定められています」

澤井弁護士はこのように述べる。どんな要件なのか。

「まず、通信傍受が認められる犯罪は、組織犯罪に限定されます。さらに『薬物』『銃器』『集団密航』『組織的殺人』の4類型のどれかに当てはまらなければなりません」

対象となる犯罪が限定されているわけだ。他にも要件があるのだろうか?

「通信傍受を行うためには、裁判官が発する『傍受令状』が必要です。

そして、令状を請求する警察官は、警視以上の階級でなければなりません。

被疑者を逮捕するための『逮捕状』は、警部以上で請求できます。警視は警部の一つ上の階級です。これは、非常に限定されているといえます。

令状発布に必要な犯罪の嫌疑についても、逮捕の要件である『相当な理由』よりも厳しい『十分な理由』まで要求されます」

●国民には『通信の秘密』が保障されている

令状さえあれば、どんな方法で傍受してもよいのだろうか。

「そういうわけではありません。傍受を行う際には、NTTなどの通信手段の管理者を立ち会わせなければなりません」

第三者にも立ち会ってもらう必要があるわけだ。

「また、傍受が終わった後は、当事者に対して、傍受したことを通知しなければなりません。

当事者は傍受に不服がある場合、裁判所に対して不服を申し立てて、傍受記録を消去してもらうこともできます」

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