子どもをスリランカへ返還命令「ハーグ条約」国内初適用か――大阪家裁が判断

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月19日 15時35分

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「妻が無断で子どもを日本に連れ帰った」として、スリランカ在住の40代の日本人男性が、子どもの返還を求めた審判で、大阪家裁は11月19日、ハーグ条約に基づいて、4歳の子どもをスリランカに返還するよう命じる決定を出した。

ハーグ条約は、両親の一方が16歳未満の子どもを国外に連れ出した場合、原則として元の国に戻すと規定している。今年4月に日本が条約に正式加盟した後、日本の裁判所による返還命令が明らかになるのは初めてとみられる。

今回の父母はいずれも日本人。大阪家裁の決定によると、父母と子どもは昨年2月、父親の事業のためにスリランカに渡航し、スリランカで暮らしていた。今年6月、家族は日本に一時帰国。当初は8月末にスリランカに戻る予定だった。

しかし7月、母親が子どもをスリランカに戻す意思はないと父親に告げ、子どもを日本に留め置いた。そのため父親は、ハーグ条約に基づいて、子どもをスリランカに戻すよう申し立てていた。

裁判所は、家族3人がスリランカで居住ビザを得て生活をしていることや、子どもがスリランカの学校に通学していて、9月以降も通学予定だったことなどから、「子どもの常居所はスリランカ」と認定。母親が子どもを日本に留め置いたことは、子どもに対する監護権の侵害だとして、子どもをスリランカに戻すよう命じた。

●子どもを「元の国に戻すところまで」

父親の代理人をつとめる小島幸保弁護士は今回の決定について、次のように話した。

「ハーグ条約の正式名称は、『国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約』といいます。

今回の手続はあくまで、このハーグ条約に基づいて、『子どもを元の国に戻す』というものです。

たとえばこれが、離婚にあたって、父母のどちらかが親権を得ることになるのかという問題になると、法的な手続で解決するには時間がかかります。

しかし、ハーグ条約に基づく子の返還請求手続では、申立から6週間以内に決定を出さなければならないことになっていて、素早く結論が出るのが特徴です」

家族は今後、どうなるのだろうか?

小島弁護士は「決定に対しては不服申立ができます。また、子どもが元の国に戻った後、家族がどのように対応するのかは全く別の問題です。元のように家族で一緒に暮らすのか、そうでないのか。今後どのような選択をするかは、ご夫婦があらためて決断することです」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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