海外発の「遺灰ダイヤ」サービスが日本人に人気――法律的に大丈夫?

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月20日 15時38分

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遺灰からダイヤモンドを作るという驚きのビジネスをスイスの企業が行っている。アメリカのニュースサイトによると、この会社には毎年800~900人の遺灰が持ち込まれており、なんと顧客の約25%が日本人だという。

「遺灰ダイヤ」は、遺灰に強い圧力と熱をかけて製作するそうだ。製作費はダイヤの大きさによって異なるが、最も小さい0.2カラット(直径4mm程度)で約45万円、1カラットだと約250万円。決して安くない値段だ。

愛する人を死後も身近に感じたい人にとって、遺灰ダイヤは魅力的かもしれない。しかし、遺体や遺骨の取扱いは、法律で制限されている部分もある。遺灰ダイヤを作ることは、日本の法律で認められているのだろうか。田村勇人弁護士に聞いた。

●形式上は「死体損壊罪」に該当するが・・・

「刑法190条には『遺骨を損壊した者は3年以下の懲役に処する』と書いてあります。

遺灰は遺骨に該当します。そして、遺灰ダイヤの作成は、遺灰に強い圧力と熱をかけるということですから、形式的には、死体損壊罪に該当します」

このように田村弁護士は説明する。そうすると、遺灰ダイヤモンドは違法なのだろうか?

「この問題を考える際には、『散骨』について、法務省が示している見解が参考になるでしょう。

見解は非公式なものですが、法務省は散骨について、『節度を持って行う限り違法ではない』と回答しています。

つまり、法務省は『節度を持って行われる限り、形式的に犯罪に該当しても、違法性が実質的に無い』という考え方を持っているようです。

そこから考えると、遺灰ダイヤについても、同じ枠組みで、『節度をもって行う限り違法ではない』と判断される可能性が高いでしょう」

●「国民の宗教感情」がカギ

その場合の「節度」は、どんな基準で判断されるのだろうか?

「死体損壊罪が守ろうとしている利益は、『国民の宗教感情』だと考えられています。

したがって、『節度』があるかどうかは、『国民の宗教感情から見て適切かどうか』で判断されることになります」

そこからすると、遺灰ダイヤはどうだろうか?

「日本にはもともと、遺灰・遺骨を大切にする文化があります。

遺灰ダイヤは、遺骨として大切に保管しておくものが、ダイヤに変わるだけとも考えられます。

さらに、亡くなった親族の遺灰を大切なものとして身につけておきたいという気持ちは、国民の宗教感情上も共感を得られるものでしょう。

また、散骨と比べても、他人に対する迷惑となりうる可能性が少ないです」

そうすると・・・。

田村弁護士は「遺灰ダイヤを作ることは、節度の範囲内とされ、違法でないと認められる可能性が高い、つまり問題がないと判断されるでしょう」と結論付けていた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
田村 勇人(たむら・はやと)弁護士
離婚等男女問題の専門家として活躍する一方、医師・歯科医・獣医側の医療訴訟を多数手掛ける。東京都獣医師会顧問弁護士。過去に、「知りたがり」のレギュラーコメンテーター、「ノンストップ」、「ワールドビジネスサテライト」、「とくダネ!」などテレビ番組でも活躍。
事務所名:弁護士法人フラクタル法律事務所
事務所URL:http://www.fractal-law.net

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